日本

日本ところどころ⑱ 四国の真んなか白髪神社の夜神楽

高知県いの町長沢白髪神社の境内181115 山の秋は神楽の季節です。多くは昼過ぎから夕方にかけて奉納されますが、ここは標高600mほどの街灯もまばらな山の中、闇に包まれた吹きさらしの本堂で鉦と太鼓が鳴り響き、邪を払い、神々を悦ばせる舞いが深夜まで続き…

日本ところどころ⑰ 土佐の沿岸 年寄りの、、パラグライダー

仁淀川河口 140712 陽が昇って山の斜面が暖められると上昇風(サーマル)が生れる。その風をうけて翼(キャノピー)を膨らませ、断崖絶壁の海鳥よろしく急斜面から空へ飛び出すパラグライダー基地が土佐市石土ノ森にある。大会時には青空に色とりどりの翼が…

日本ところどころ⑯ 土佐の沿岸、年寄りに、、ヨット

土佐清水市140616 この町には昔ながらの銭湯が今でもフツーに営業している。番台を挟んで男湯と女湯が分かれ、壁越しにおばさんたちの世間話が聞こえるアレだ。大学を出て初めて仕事に就いた町でもあって懐かしく、通りかかったついでに手拭いを提げて歩いて…

日本ところどころ⑮ 宿毛湾の樫西海岸

宿毛湾の樫西海岸140124 物部川を舞台に「川歌」を描いていた故青柳祐介さんは「山のプールをぶっ壊せ」というのが口癖だった。学校の傍に清流が流れ、少し手を入れれば天然自然のプールができるのに四角四面のコンクリートの箱に子どもを放り込むなんて愚か…

日本ところどころ⑭ 四万十川 揚水式ダム

標高1000m吉野川上流の稲村ダムサイトの山桜 2012.05.05以下同じ 敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花 と詠んだ本居宣長は生前に自分の葬儀から墓石の置き方まで細かく指示している。お墓の傍に植えるのはもちろん朱色の葉と一緒に咲く山桜だ。朝日に「…

日本ところどころ⑬ 四万十川 漢江上流の任南ダム平和のダム津川ダム、鴨緑江の水豊ダム

韓国江原道の平和ダム2010.08.12 日本のダムは治水、利水、発電の3目的に限られるが、朝鮮半島では「水攻め」兵器としての役割もある。漢江上流のダムが意図的に放流されれば大量の水が下流域を襲いソウル市は壊滅する。 平和ダムの機能をイラストで説明した…

日本ところどころ⑫ 四万十川 津軽ダム

*青森県弘前市の林檎園141029 東北各地にリンゴはいくらでもあるけれど何故かリンゴは青森という強いイメージがある。さほど大きくない木に枝も折れよと言わんばかりの数が成り、よく手入れされた圃場にリンゴ農家の執念が見える。ぷりぷりのリンゴのお尻ま…

日本ところどころ⑪ 四万十川 二風谷ダム当別ダム

*北海道沙流郡平取町二風谷の萱野茂記念館 141021 趣味のオフロードで林道を走り回っているうちに四国には、里に春はあるけれど山に秋がないことに気がついた。昔むかし額田王は春と秋はどちらが良いかと悩んだ末「秋山我は」という結論を導くのだが、高知の…

日本ところどころ⑩ 四万十川 マニラ三峡ダム諫早湾

*フィリピンバイ湖にて2002年夏 その昔マイノリティーを訪ねるツァーに誘われてフィリピンを訪れた。開発によって住処を追われる人々、山かと見紛うゴミ捨て場で働く少年、母親が海外へ出稼ぎに出て不在の少女、空き地で遊ぶ笑顔の子どもらと出会った。 *湖…

日本ところどころ⑨ 四万十川 戦後復興期のダム計画

*頓挫したダム計画 高知県内水面漁協連合会「土佐の川」1992年刊p129より 個人史を持ち出して恐縮だが、ぼくは戦後復興期(1945~1954)に生れ、高度成長期(1955~1973)に中学、高校、就職、浪人、大学をやっつけ、安定成長期(1974~1984)に宿毛市、土佐…

日本ところどころ⑧ 四万十川 家地川ダム

*四万十川は大きく蛇行(曲流)する 四国を横に走る三本の構造線のひとつに仏像構造線がある。その南側の地層が幡多地域から高知沖を抜けて世界ジオパークの室戸につながる四万十帯だ。仏像も四万十も高知由来の名称だから妙に嬉しい気持がするのだけれど四…

日本ところどころ⑦ 四万十川から仁淀川へ

初﨑の港 ここまで来ると河口というより海の港だ。水の色も波の形も上流とは違う。堤防の先では港を出入りする水流が複雑に渦巻き、漁船に遭遇するとゴムボートは上下に揺れる。尖ったものに触れたらプシュ~だからライフジャケットは必須の装備だと知った。…

日本ところどころ⑥ 四万十川 津波の浸水域

四万十川河口、初崎の道端で見た津波の浸水予想図。指標には30m以上という数字も置かれる。3・11後の太平洋岸を岩手、宮城、福島と渡り、とりわけ女川の高台から信じられない光景を見た自分は、赤い線が何を意味するか、頭では分かるような気もするが、実感で…

日本ところどころ⑤ 四万十川 アカメ

平成22年2010年に終了した市町村合併で全国3300市町村は1700ほどの自治体に縮小され、中村市は四万十市と改名された。しかし行政が「これからは四万十市と呼ぶ」と宣言しても旧中村市に住んでいた者にとっては、中村市を流れる川が四万十川であって地名と川…

日本ところどころ④ 四万十川 赤鉄橋ゴルフ俳句

四万十市(旧中村市)入田の河原。向こうに見える赤鉄橋は垂直材を入れたワーレントラス橋。まさか国道を沈下橋にするわけにはいかないので勿論抜水橋である。この町で生れ育った人には記憶の中心に置かれるランドマークだろう。青丹よし奈良の「青丹」は、…

日本ところどころ③ 四万十川 木造軸組 洪水 ダム

四万十川沿いにあるお屋敷に招かれたときの一枚。内装これすべて木材とはなんと贅沢なお家であるかと三嘆し、わが家を思い出してはため息をついた。お金がなければできないが、金さえあれば建つというものでもない。ご主人は材木商と聞いて納得した。木造の…

日本ところどころ② 四万十川 道端アート 法面工事 近自然河川工法

流れにまかせてオールを漕げば川下りは簡単にできるが、ボートを降りたあとは元の位置まで歩かねばならない。車ですっ飛ばせば短い時間でも足で歩くと時速4~5㎞だから骨は折れるがカメラ片手に道草を食うと色々なものが目に入る。 とある屋敷の入口に壺の絵…

日本ところどころ① 四万十川 川登から赤鉄橋を越えて初崎まで

土佐の高知と言われてピンと来ない人でもたぶん四万十川は知っている。ぼくの記憶に間違いがなければ四万十川が注目されたのは1980年代に倉本聰がカヌーを漕いでウィスキーか何かの宣伝をしたのが始まりだった。川が流れて鮎が捕れて夏になったら泳いで遊ぶ…

番外編トマト

年配の方ならトマト畑の青くさい匂いを知っているだろう。露地もののトマトは夏の日を浴びて真っ赤に熟れる。水をやりすぎると割れるから要注意だ。大小とりまぜて収穫される玉を一盛りいくらで市場に並べ、おばあちゃんが客を呼ぶというのが正しい農業だと…