Thai Laos ひとり旅② ミャンマーとの国境メーサーイ

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タイの北端メーサーイMae Saiの税関180914

むこうはミャンマー(ビルマ)のタチレイTachileik。人と荷物が列をなして出入りする。手前の大通りは何でもありの路上市場で、日が落ちると夜市、夜が明けると朝市となって市民の食卓になる。

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税関に向かう三輪車。タイではバイクの後ろに荷台を付けた三輪がバリバリの現役だ。子どものころ見たダイハツミゼットが思い出されて懐かしい。ベンツと三輪車が雑居するタイは長いスパンで記憶をかき混ぜてくれる。

f:id:sakaesukemura:20190616044745j:plain屋台のサイドカー付きバイク 

f:id:sakaesukemura:20190616044756j:plain動力部を外すとお店になる

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スマホケースにはキティーちゃんもワンピースも、、

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托鉢180915

タイでもラオスでも早起きすればどこでも見られる托鉢の風景。喜捨する市民も裸足で手を合わせるのが原則のようだ。微笑みの国タイでは飛行機の乗務員もタクシードライバーも手を合わせて感謝の意をあらわす。一応ブディストのぼくには違和感のない光景だが、合せた掌が自分に向けられると戸惑う。

f:id:sakaesukemura:20190616044841j:plain古刹に向かう石段は「ドラゴンボール」の悟空が界王様を訪ねてン万里を走った鱗の道を想起させる。波打つドラゴンの背中はタイでもラオスでもフツーに見られる塀のモチーフだ。鳥山先生ないし編集者はここからヒントを得たのかもしれない。

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そのドラゴンの道を尻尾まで登り詰めると妖艶な美女が迎えてくれる。涎を垂らした亀仙人が良からぬことを仕出かしそうだ。

f:id:sakaesukemura:20190616044917j:plain聖なるお寺にこのお尻はいかがなものかと思うのは日本人の抹香臭い考えで、ここは空想的理想界なのだから心のもやもやを実現してくれた方が本当は嬉しい。

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寺には求道の仏陀も鎮座ましますのだが、

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その一方で象の顔を持つヒンヅーの神がおわし足元には鼠とコブラが顔を出す。インドには鼠を聖なる存在として崇める寺院があり、コブラはアジア各地で蛇となり龍となって仏陀を守護する。ヒンヅー教と南方仏教の関係は神仏習合のようなものなのだろうか。伝播先の環境に合せて宗教が変化したとも考えられるが、仏教もヒンヅー教も元はといえばインド発なのだから両者は初めから融和していたのかもしれない。

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巨大な蠍は日本の神社でいうところの御神体だろうか。力あるものを祀るのは力に憧れるからか、荒ぶる神を畏れるからか、毒を持つ尻尾の毛が妙にリアルだ。

f:id:sakaesukemura:20190616045014j:plain高台から見たミャンマーの町

f:id:sakaesukemura:20190616045027j:plainこちらはタイ側の街

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入国管理事務所のポスターにはタイ語、英語、ビルマ語、中国語で注意書きが並ぶ。不法滞在した者は当局へ引き渡す。場合によっては逮捕し起訴するというキツイお達しだ。タイ北部は居心地がよいらしく長期滞在者が多い。やがて不良外人化し問題を起こすようになったからであろう、国境の橋を渡って戻るだけでビザは自動的に延長されるのだが、ちかごろ再入国の回数に制限が入った。ここでミャンマーに入ってタイへ戻ると次回ラオスへ入ったときタイへ引き返せなくなる。「しかしどうしてもミャンマーを覗きたかったら500バーツ≒1800円ほど払えばパスポートを汚さずに入る裏技もあるよ」と友人が教えてくれた。 法治一点張りの日本とちがい、ここではおカネで人情が生れるようだ。

181105記