Thai Laos ひとり旅③ メコン川をファイサイHua XaiからバクベンPak Bengへ

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ラオス ファイサイHua Xaiの税関180916

タイ北部の町チェーンコーンChiang Khongの税関を抜けると途中で道がクロスし、バスは左側通行から右側通行に変わる。メコン川を渡ってラオス側の税関ファイサイに着いたら夜だった。予約したホテルまで10㎞ほどあるがバスは営業を終えタクシーもない。ラオス人の女性客が闇のベンチにぽつんと坐っている。チェンライに住む友人がここから始まる3泊4日のメコン川下りに同行してくれ、タイ語で女性と交渉し、迎えの車に便乗させてもらって事なきを得たが、一人旅なら途方に暮れたことだろう。

f:id:sakaesukemura:20190616050539j:plain仕事を終えて卓球に興じる税関職員。見ていたら手招きするので30数年ぶりにラケットを握った。日ラ対抗とは言うも愚かまるで体が動かない。

f:id:sakaesukemura:20190616050552j:plain立看には「タイ国はあなた方を歓迎します。Child sex offender以外は」とある。「児童性犯罪者」とでも訳せばよいのだろうか、それが具体的に何を意味するかはわからないが、ここは麻薬の「金三角」地帯であり、マフィアに性は付き物だから多分ぼくの想像が大きく外れることはない。

f:id:sakaesukemura:20190616050606j:plain観光船の埠頭。9月の今は雨期だから客は少ないが、乾季に入ると観光客が増える。

f:id:sakaesukemura:20190616050619j:plainこちらはSlow Boat向こうはSpeed Boat。スローといっても川下へ向けて走るのだからけっこう速いが、スピードボートは競艇なみだ。船頭と希望客はヘルメットを被って突っ走る。動力部は剥き出しのエンジンにスクリューを直結し舵の機能まで持たせたスグレモノである。日本車から取りだしたエンジンが好ましいという。写真は川下に向け平行して走ったから何とか捉えられたが、スピードボートと対向して行き違うときは瞬く間に現れて消える。音が聞こえてカメラを構えたのでは反応が鈍いキャノンM2では追いつかない。

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40席ほどある舟に客は7人。本を読んだり景色を見たり。スロバキアの若者は寝っころがって朝からビール^^ 人生の幸せなひとコマ。

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焼き畑の煙か?

f:id:sakaesukemura:20190616050720j:plain川沿いのジャングル

f:id:sakaesukemura:20190616050741j:plain焼き畑にはトウモロコシや陸稲が植えられる。

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途中で下船し少数民族の村へ入る。

f:id:sakaesukemura:20190616050823j:plain鳥の親子が行列を作る村。昭和30年代の農村の記憶を持つぼくには何の違和感もない光景だが、白人の若者にはどのように映るのだろう。

f:id:sakaesukemura:20190616050839j:plain共有地の水道で沐浴する少女

f:id:sakaesukemura:20190616050905j:plain子どもは何でもオモチャにして遊ぶ

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典型的な高床式の倉庫。茸のような鼠返しの柱を見ていると定住が始まった弥生時代の日本もこのようではなかったろうかと思う。

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充分な広さと高さを持つ床下は熱帯の風土が作った合理的な空間だ。それは子どもの遊び場であり仕事場であり客人を迎える気さくな情報交換の場でもある。ル・コルビユジェは国立西洋美術館世界遺産)にピロティーを置いた。丹下健三は長方形の箱を柱で支えるヒロシマ平和記念資料館を創った。目線の向こうに風景が見え、渡る風に吹かれて二階へ上がる人々の表情は柔らかい。昔の日本にはどこにでもあった縁側のようにウチでもなければソトでもない吹き放し空間は、ひょっとするとアジアの熱帯が原点なのかもしれない。風景を力で捩じ伏せる巨大ビルディングが悪いとは言わないけれど、文明が限界に達した今、自然の素材で作られた空間の美徳を振り返ってよい時代ではなかろうか。

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森から戻ってきた少年。木陰に潜み長い銃身を持つ猟銃で遠くの獲物を狙う。

f:id:sakaesukemura:20190616051013j:plain細身の典型的な川舟。メコン川が作った美しい形であるが、この舟で海へ出たら波に挟まれてイチコロだろう。

f:id:sakaesukemura:20190616051031j:plain川辺で水牛が遊ぶ。

f:id:sakaesukemura:20190616051054j:plainスローボートは仕事場が持ち家でもある。

f:id:sakaesukemura:20190616051114j:plainもともと観光舟は貨物船であった。

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朝から7時間ほど舟に揺られてバクベンPak Bengの村へ到着。ここで一泊。


181115記


追記
動画を挿入する方法がわかりました。
やっと26パラグライダーが動きました。