Korea点描 リアルタイム編④

かつて新聞テレビは公平公正を旨とし読者視聴者に判断材料を与えてくれるなどとマジに思ってましたが、実はメディアはそれぞれの社是に従って情報を加工するから書かれたことより書かれなかったことの方が大切で、さてこの紙は何を隠しているのだろうとヒネた目でものを見る癖がつきました。

だからといって自分の足で歩いても目に入るのは森羅万象の一点に過ぎません。事実はひとつと言われますが本当は解釈する人の数だけ事実があり、事実の集積たる歴史もまた座標の数だけ存在する、、とまあ理屈っぽいことを考えているうちに韓国の友人が遠路ソウルまで訪ねてきてくれたので飲み屋を探す道がてら日本の商品を扱うお店を覗きました。

日本製文具はKoreaの若者に人気です。そのむかしKoreaのお嬢さんに極細ボールペンをお土産にしたところ、さすが女子高生で「これほど細い線が引けるのは日本製だけ」だと知っていました。日本製品が優秀であることとたまたま日本に生まれたぼくとは何の関係もありませんが、所属する共同体が褒められると妙に嬉しいものです。その日本製文具が反日意識を拡散させる格好のターゲットになったのだろうか、どうなんだろ、ともあれ立ち寄った文具屋の日本製品は全部撤去されていたようです。

噂のUNIQLOは一応明かりが付いてましたが、客だか店員だか分からない人の姿がまばらでした。Canon  Nikon 他のカメラを一杯並べた中古屋にも客の姿は見えず店員はやる気がなさそうでした。可哀想なのは日本料理屋で二階の窓に客の影法師がひとつ揺れるだけ、別のお店を覗いても客の姿は見えなかったです。中華料理屋でビールを頼んだら地元ビールが出てきました。普段はアサヒもあるそうですが、、

 

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→190821大田駅前広場にて

「安倍糾弾大田市民」「独立運動はできなくても不買運動はできる」とする巨大な横断幕が駅前に置かれ善男善女はその脇を歩いて通勤する。おそらくこの横断幕は全国津々浦々で揺れておりメディアは反日で持ちきりだからUNIQLOが一部撤退したことも分かる気がします。

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 →190821ソウル市日本大使館前の水曜デモ。 カメラの砲列に混じって撮った絵だから写る気満々の人たちかと、とりたてて肖像権というものに拘る人はいないでしょう。

イアンフという悲劇の神話に包まれた像とそれをとりまく人間の関係はもはや宗教の領域にあるようにさえ見えます。政治と宗教は語るなというのが旅行者の鉄則で、それが日本人に関係のないところで行われるマツリゴトであれば迂闊に言葉を置くことは憚られますが、なんといってもこの像は事実関係を曖昧にしたまま日本人を侮蔑する象徴でもあるわけだから、それなりに物思う私も一言申し上げたく、

韓国人得意の横断幕が揺れ、マイクの声に唱和して怒声三発、シュプレヒコールが投射される向かいのビルには、警備の警察いわく「7階だか8階だかに」日本大使館があります。いわゆる「水曜デモ」は1992年から続けられているそうだから息が長く、かつては若かった参加者も高齢化したのか年配の方が殆どでした。

後方の横断幕やプラカードには「強制侵略糾弾」「強制徴用謝罪せよ」「独立」「安倍野郎」等の文字が揺れます。興味深いのが「安倍NO日本NO」の文言で、安倍政権と日本国を同時に批判するわけですが、アベはさておき「日本NO」として日本国民の総てが否定されると戦後生れのオレたちもいけないことになり、韓流ファンの皆様さえ巻き添えを喰うわけで、それはやりすぎだという反省から「日本NO」は外され、今は「安倍NO」が一般的ですが、ここではまだ生きてました。
 
思いますにそれは、日本軍はノーだが日本人はむしろ軍部に支配された犠牲者だとするChina発の智恵ではないでしょうか。あるいはナチスはいけないが戦争に駆り出された国民はむしろ犠牲者だとするドイツ式の「ツートラック」ではないでしょうか。軍と国民を一括りにしてしまうと後々問題が残ることから、あえて両者を分離した戦後処理の智恵ではないかと思うわけです。
 
 
190826記
 

 

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