Korea点描 リアルタイム編⑥

放射線

昨日の中央日報日本語版「韓国環境部、日本産石炭がら放射能初めて全数調査…測定機の数値が倍に跳ね上がる」の記事にはさすがにムカッとしたので一筆。

『簡易測定機で石炭から表面の放射線量を測定した。数値が1時間当り0.23マイクロシーベルト放射線測定単位)まで高まった。石炭がらと落ちたところで測定した背景濃度数値(0.11~0.14マイクロシーベルト/h)よりも倍近くになった。原州環境庁担当者は、管理基準である0.3マイクロシーベルト/hより低く、輸入には問題がない水準」と説明した 』(190903中央日報日本語版)

「数値が倍に跳ね上がる」という素人相手の煽情記事は韓国紙の得意とするところですが、倍に跳ね上がっても0.23マイクロシーベルトだからどうということのない数値です。管理基準が「0.3マイクロシーベルト/h」とあるので、韓国では0.3あたりが緑ゾーンと黄ゾーンの境なのでしょう→するとぼくがロシア製の簡易線量器で計測した旧ソウル駅構内の最大値は0.3マイクロシーベルト/hだったので巷間言われるようにソウルもヤバイんちゃうとまあ思ってしまうワケです。

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190822 旧ソウル駅 花崗岩の列柱が美しい入口ホール

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190822 ホールの柱の下に直接置いた線量計

ソウル駅周辺に線量計を置いたところ、すべて0.2以上を示し、それは0.1強が普通の西日本では見たことのない数値だったのでオヤけっこう高いじゃんと思いました。ちなみに花崗岩質の四国は数値が高めに出ると言われ、高知の拙宅に置いたロシア製の線量計0.08~0.17を行ったり来たりしています。ロシア人が設定した三色分けではもちろん緑ゾーンの安全圏です。(あくまでγ線しか測れない簡易線量計なので数値は大雑把なものでしょう)
 
同記事には以下のカキコがありました。このヒトもムカついた一人なのでしょう。
 
『そもそも石炭を検査すれば元々放射性物質は含まれてます(含有している)。例えばK-40、Th232、U-238は自然に含有しています。K-40(放射性カリウム)自体は人間誰もが5000ベクレル程度体内に持っている。放射性物質と一括りでは無く、Cs-134、137の検出結果を示すべき。常識なさすぎる。』(twitter blackholes 2019-09-03 08:37:56)
 
 ついでに言えばブラジルのガラパリは自然放射線量が世界一高いことで有名です。その年間被曝量10ミリシーベルト/年を365日+24時間で割ると1.14マイクロシーベルト/hとなり、ぼくの線量計では文句なしの黄ゾーンに入りますが、いくら調べてもガラパリ市民に健康被害はないそうだから人間って案外丈夫なのかもしれませんね。マイクロシーベルトの1000倍がミリ、その1000倍がシーベルトです。この単位で放射性物質に抱きついたら確実にあの世行きですが、マイクロ単位の低レベル放射線量に閾値はあるかないかというのは議論の残るところだそうで、まあ飛行機に乗るだけで誰もがそれなりに被曝するわけだし、生物の進化には放射線も一役買っている説だってあるしで、石炭灰の放射線量をもっともらしく記事化するのは、どう考えても「ホワイト国」後の嫌味としか思えません。
 
 かの国があの手この手でしつこく嫌がらせをするのはなぜか、近年のネット記事を追いかけているとほぼ分析は終わっているように思われますが、ぼくなりの結論を求め、本年3月に出版された松本厚治著「韓国反日主義の起源」(草思社を二読三読し、その論旨に共感しつつ唸りました。出版されて間もないこともあり、また定価が4500円とお高いこともあってか、今のところカキコ氏が引用したものを見たことはありません。本書ではイアンフにもチョウヨウコウにも触れられていませんが、反日イデオロギーの原理を見事な筆で説明しており、引用文献の一覧を見るだけで凡百の嫌韓本が冷めて見えるほどです。が、悲しいことに論述の最後まで明るい光が見えず、かくも陰気な結論を導くために著者は後半人生の相当時間を割いたのかと思えば気の毒な気さえします。圧倒的な物量をもって論考した鋼のような事実factを前に韓国人は何を考えるのだろうか。いやおそらく何も考えないだろう。そもそも読まないし翻訳されないだろう。仮に翻訳されても不都合な事実は改竄されるだろうと失礼ながら経験的に思い当たるフシがあり、本書は自分の鏡でもあったから、何だかなぁとぼやきながらのソウルひとり旅でした。

 
追記

通常、線量計生殖器の位置を想定して地上1メートルの高さに置かれます。土から離せば線量は低くなりますが、足の裏はいつも大地に触れており、地べたに腰を下ろせばお尻に当たる線量は増えるわけだから、ぼくは線量計を土の上に置くことにしています。以下、地べた接触方式でフクシマを回ったときの記録を添付します。通常の測定値より高めに出ます。ご参考までに。

 
190903記
 

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161002 福島県飯館村と山木屋の中間点

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161002 福島県長泥地区除染済地帯(一般車侵入禁止地域の手前)

森の中の除染とは、道路脇20メートルの範囲で下草を刈り、巨大なフレコンに包んで田んぼの仮置き場に集積することでした。

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161002 フクイチ近くの国道を走る車の中で線量計が赤ゾーンに入った

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161002 国道脇フクイチへの進入路

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161002 コンクリート上に置いた線量計が19まで上がった

 

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