海事つれづれ五目めし200522 塩の道7  塩の道ウォーク(下

 

 

 

 

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この花をご存じでしょうか?

ヒントは叉が三つある和紙の原料です

 

 

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芭蕉

美しかった夏の蓮が枯れ沼で首を折る姿は破蓮ヤレハスとして秋の季語とされます。夏の栄華を知る芭蕉もまた秋になれば強い風に煽られ破れ傘のごとく葉を切り裂かれた破芭蕉ヤレバショウとして発句に荒涼たる景を添加します。春3月に無残な姿をさらす芭蕉を破芭蕉と呼んでよいかどうかやや疑問は残りますが、まあかたい話はなしにして、

 

 

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バナナリーフに雨蛙を乗せ「雨蛙芭蕉に乗りてそよぎけり」と長閑な夏の風景を詠んだのは其角です。同じ芭蕉松尾芭蕉の手にかかると

 

        芭蕉野分して盥に雨を聴く夜哉        

 

句はがらりと趣を変え、強いトルクで韻を折り、雨戸を鳴らすチェロの低音部の上でビオラとバイオリンが音の闘いをするようでもあります。野分の風が芭蕉の葉脈を切り裂く夜、盥に落ちる雨音を聴きながら孤独を味わったという句ですが、わずか17文字にこれだけの情報量を盛り込むワザは俳聖ならでは、漫画家ならこの一句でかなりのコマが稼げるのかも、やっぱ芭蕉って凄いワと脱帽です。

 

 

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山のお風呂は手で沸かす

 

 

 

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なかよしおばちゃん御一行

 

 

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終点が近づくと賑やかな色彩が迎えてくれます

 

 

 

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赤と黒はセレブの象徴ですが、紅白の組み合わせには庶民の華やいだ明るさがあります。式典に紅白幕は欠かせず雛祭りのお団子も紅白の組み合わせです。ダイヤモンド・プリンセス号が寄港した高知新港の近くには引きも切らず大型観光バスが出入りしていたお店があります。「おまんが焼きやワシが切っちゃる」というローカルな標語は鰹のタタキの宣伝文句、幸せを言祝ぐ大漁旗が水平線に昇る旭日とともにデザインされ、客足の遠のいた今も靡いています。

 

維新後の時代風潮を反映したものか、明治期のデザインはお皿ひとつ取っても見込みの中心から線が放射状に拡散するなど気合が入ったものが多いです。ところが紅白の組み合わせが円形に配されるとじめじめぐちぐちよく分からない議論をする人があらわれて取留めもない感情世界に連れて行かれます。道頓堀の巨大タラバガニさえイケナイかどうかは又の機会に、あれほんと疲れますわ。

 

 

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菜の花の向こうに紅白の雛壇160326

黒沢明監督「七人の侍」はモノクロならでは味を残しますが、色を手にしたクロサワが「夢」で桃畑の雛祭りを描いたら凄いことになりました。あの絵あの色は、ものの見方の問題なので、映像装置が進化したからといって誰にでも撮れるわけではないでしょう。

https://twitter.com/bpmas4wwhw89mip/status/1234765543283941376

とても画質がわるいです。探せば「狐の嫁入り」もあります。

 

 

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重力を中和させ空から降りてきたベジータ、左はブルマ、子どもはトランクス...^^

 

 

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色のない森の中をせっせと歩いて終点が近づくと紅白の桃が迎えてくれました。担当者の粋な計らいに感謝しながら、ひょっとすると「塩の道」をデザインした人はコース料理に詳しい人かもしれんなと思いました。

 

全行程30㎞は四国遍路の1日分+αです。けっこうダレましたが、世の中には凄い人がいるもので、この山道でマラソンをやるトレールランという競技があるそうです。ぼくはトレールバイクでダートを走るのは好きですが、12000円も払って自分の足で山道を走り廻る元気はありません。

 

たまたま出会った隠岐島出身という自衛隊駐屯地のボランティアと並んで歩き、折りあらばと狙っていた隠岐島は島前の話を聞けたのも収穫でした。願かなって昨夏バイクで隠岐島に渡り、後鳥羽上皇の神社に参拝、バイクの機動性を活かして島前島後ともほぼ全ての道を踏破しました。とはいえビデオの早送りみたいにエンジン回してすっ飛ばしたからといって何が見えるというものでもありません。旅は歩くのが一番です。

 

塩の道パンフ☞「赤岡町でとれた塩を、物部の奥地に運んだ塩の道。この道は塩だけでなく生活必需品も運ばれた重要な産業道でもあり、当時の人々の生活に深く関わっていました。 コースの中には、当時の面影をしのばせるたくさんの歴史遺産も残っています。 山々に囲まれた香美市大栃から雄大な太平洋に面する香南市赤岡までの30キロを先人の思いと共に楽しく」歩かせてもらいました。つづく

200522記

 

 

 

おまけ

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200519

桂浜の渚で汲んだ海水500ccを鍋に入れ16分ほど火にかけたら

 

 

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鍋底に白いものが見えてきました

 

 

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ペットボトルの海水を蒸発させると3%の塩分15gと苦汁が残りました。苦汁入り天然塩は舐めたら舌が痺れます。その苦汁を豆乳に入れると豆腐になるはずなので実験結果に乞うご期待です。スマホは猫の金魚掬い…

200520記