浦戸湾の春を飾るひかえめな色合いの栴檀の花200513
容量不足で貼れなかった栴檀の写真を添付します。残念ながら6月1日現在今年の花は終わり、夏を告げるホトトギスの声が野に響いています。
そのむかし九州太宰府に赴任した大伴旅人は豪快な酒飲みで「あな醜さかしらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む」と詠みました。「令和」の由来とされる大友旅人邸「梅花の宴」では筑紫歌壇の山上憶良を交えてたのしく盃を交わしたことでしょう。
妹が見しあふち*の花は散りぬべし
我が泣く涙いまだ干なくに 憶良
太宰府の大友旅人邸にはあふち*栴檀の木があり、夏が近づくと写真のような花を咲かせるのを奥方は心待ちにしていたのでしょう。その妻が他界したとき旅人の悲しみに協和した山上憶良は「妻が好きだった栴檀の花は散ってしまったけれど俺の涙は止まらない」と詠みました。いかにも万葉的で飾り気のない感情の吐露であり、その詠み振りから山上憶良が垣間見た旅人夫妻の睦まじい様子が想像されます。
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その歌に「藻塩」を詠んだ恋の歌を重ね、さらにChina三大美人のひとり楊貴妃にご登場いただき、日本の恋とChinaの恋愛事情のちがいを考えた上で、塩シリーズの大団円としたかったのですが、ブログの容量制限300MBを超えて写真が載せられなくなり、文もだらだらと長引いてまとまりがつかなくなりました。そんな次第でいま真っ盛りの栴檀の花の写真は来月添付します。ブログも来月から再開します。
200525記