ひとり旅 201213 China 8 故宮ドラゴンから鳥山ドラゴンへ

 

 

 

 

f:id:sakaesukemura:20201213092353j:plain

故宮博物院 赤いドラゴン 171015

 

問題です「龍の爪は何本あるでしょう? 」答「3本、4本、5本」の3通りです。世界の中心(とChineseが勝手に思っているところの)中華ドラゴンは5本。Chinaの家来であるところの半島ドラゴンは4本。そこから海を隔てた文化果つる地(とChineseもKoreanも見下すところの)列島ドラゴンは3本となります。

 

 f:id:sakaesukemura:20201213092024j:plain

故宮博物院 緑のドラゴン 171015

 

どうやら葛飾北斎はその秘密を知らなかったと見え北斎ドラゴンはどれも3本爪です。半島人は数の謎を知っていたようですが、滅多なことをして親方の心象を害すると何をされるか分からないので半島ドラゴンは4本爪なのです。が中華文明に向けた半島の憧れはやまず、じつは掌に親指を隠しているというユニークな説もあります。Chinaが父ならおれは兄おまえは弟といういかにも儒教的(朱子学的)な序列思想です。なんだかな~と思いながらも面白いから龍を見るたびに爪の数をかぞえる癖が付きました。

 

 

f:id:sakaesukemura:20201213092445j:plain

葛飾北斎88歳没時3カ月前の作

富士越龍ふじこしのりゅう *ネットより

 

LIFE誌が1999年に特集した「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」の絵画部にChinaの范寛、Spainのピカソ、Japanの葛飾北斎3人が登場します。有名な「赤富士」は白い横雲の前で尖った富士が裾野を曳きますが、絶筆といってよい「富士越龍」は雪を載せた急斜面の背後に立ち上る黒い煙のなかで3本爪の龍が昇天します。

 

 

f:id:sakaesukemura:20201213092502j:plain

4本爪のドラゴンは

絵としても絶品 *ネットより

 

天井画を含め数々の龍を描いた葛飾北斎

この鳥山ドラゴンを見たら何を思うのだろう?

瞳を持たない龍の不気味さと

怖いけどどっか愛嬌がある漫画龍の本質を

瞬時に読み取った北斎は硬直するのではないか

 

龍の腹が頭部の重さを支え

振り向いたピッコロの右足は

重力に抗う親指の動きまで予感させて

骨と筋肉が支える両者の視線が

対角線上でぴたりと一致します

 

左部背景の塗りつぶされた黒は

富士の斜面がつくる背後の闇のようでもあり

吹き出しの文句を強調する仕掛けともいえます

日本画に極端な遠近法を持ち込んだ北斎

先刻お見通しのはず

 

高いところから龍がピッコロに投げる

うるさい ばか

では さらばだ

ということばも状況から見て

これ以上ピュアな日本語は考えられません

 

何たって北斎は「北斎漫画」の創始者なので

この恐ろしく複雑な構図を仕事場の汗も見せず

すっきり爽やかにやってのけた「鳥山漫画」を見て

漫画はこうでなくっちゃと

膝を叩いたかもしれません

 

じつはこの段、パブロ・ピカソが冥界からテレポートして「ドラゴンボール」を読んだら何を思うかという空想から書き始めたのですが、私メの結論を申しあげると、勿体なくもこの静止画を日本の読者は1秒の何分の一かで、すっ飛ばして次々と頁をめくり、頭の中でビデオを作っちまうことにピカソ先生は(たぶん北斎も)驚愕するのではないか。そして次の瞬間ピカソの禿げ頭にアイデアが閃き、こんどは鳥山センセものけぞるような新次元の絵画が登場して人類を悦ばしめるのではないかとまあ平和的なことを考えてのことでした。

 

かつてピカソの国からやって来た旅人が、ぼくの書斎でドラゴンボールを見付け、手に取ってにんまりしたので「知ってんの?」って訊いたら、たぶんスペイン語で「もち!」と親指を立て嬉しそうな顔を見せました。そんなこんなでドラゴンについては色々な思い出があります。

201213記 つづく

 

 

 

# # #高知の今# # #

f:id:sakaesukemura:20201213092533j:plain

文旦が色づきました201122

摘果し寝かせて熟成させ

正月明けから出回ります

今のところ文旦は高知が最適地ですが

温暖化で適作地の緯度が上がりつつあり

蜜柑農家は戦々恐々です

 

 

f:id:sakaesukemura:20201213092556j:plain

デコポン201122

不知火⇒デコポンは熊本原産

糖度13以上、酸度1.0%以下が基準とか

味覚は人の趣味ながら

旬のデコポン

文句なしにうまいです

 

 

 

# # #アメリカの今# # #

12月08日に選挙結果の確定

12月14日に選挙人による投票

01月20日に就任式という運びでしたが、異変が起こっているようです。日本語でとれる米選情報は、記事の公平性という目で見て、いかがなものかと思うほどバイデン押しトランプ下げでしたが、世界最強国の国家元首ともあろう者が人格破綻した愚か者であろうはずがありません。

 

テキサス州がスイング4州を訴えたかと思えば、12月12日時点で、連邦最高裁は訴えを棄却したというニュースが流れ、これで争いは終わり、新大統領は確定したというニュースが山ほど出されました。が、「棄却理由は、州は他州を訴える立場にはないという原告適格否認によるもので、提訴された4州の違法性が阻却されたわけではありません ~ リンウッド弁護士の提訴していたGA州訴訟の方は最高裁が受理したそうです。という事は同じ州内であれば提訴可能という事になりますので ~」という書き込みもあり、

 

複雑多様な現実の一部を二次情報として、しかも日本語で受け取る他ない自分には、何がなんだか分からんぞというのが正直なところです。流れ来る情報の中には「大紀元」という日本では目にしないニュースサイトがあったり「CNNの朝会議」が暴露されたり「FacebookのCEO 」が裁判所に坐らされたり「クーデター」だ「戒厳令」だという恐ろしい言葉も散見され虚々実々の怪情報が飛び交っています。

 

5Gが6 Gになると虚と実の境が分からなくなると言われます。きれいな歌声が聞こえるから誰だろうと思っていたらボーカロイドだったり、いやあ別嬪さんのアナウンサーだと見とれていたら微妙な動きを与えられたAI画像だったりするので、すでに人類はSF映画未来社会にいるのかもしれません。ただ、アメリカの新国家元首が誰になろうと万人を説得しうる正当性を持つ大統領であらねばなりません。嘘と恨みで争うより日常を愉しみたいものだとまあ誰だって思いますよね。 *一部訂正しました 201213