トックリヤシと赤い花の門 西表島大原170703
門は何のためにあるのだろう?
門扉を閉めて泥棒を防ぐというのは
必ずしも間違いではありませんが
さみしい答です
門はウチとソトを切り分け
ソトの人に対しては
ここから先に入ったらいかんよという境であり
ウチの者にとっては
出入りするたびにハレとケを確認する結界でもあります
それが花のアーチであったら
清々しいでしょうね
船浦中学校正門 140426
門柱のシーサーが睨みをきかせ
出入りする者の邪気を祓う
赤い狛犬が立ってるだけじゃん
とも言えますが2頭のシーサーと
自分との位置関係がつくる
無言の通関でもあります
西表小中学校正門 140426
ディゴの巨樹が半アーチを架け
玄関先に緑の傘が広がります
武家屋敷や城郭の門は門自体が威圧の言語であり
パリのエトワール凱旋門に至っては圧倒的な高さ力強さ
軽飛行機さえ通過させた幅を持つ武の顕彰碑でもあります
充分な質量をもつこの学校の門柱もまた
無言のメッセージを送ってきますが、さて
「部外者立入禁止」のがさつな文言はいかがなものか
門に拒否され、命令形で拒絶されると
道行くオレは泥棒じゃねえんだがとムカつくのです
ある意味学校の本質をよく示す看板ではありますが
子どもの情操にはよくないです
西表島干立(星立) 140425
石を積み上げた門柱に
オオタニワタリが葉を伸ばし
両脇からせり上がったフクギがアーチを架ける
人の姿は見えず
木の葉が音を吸い取るので
あたりは不思議な静謐に包まれています
星立の海岸 170706
地質地層が読める人は地球のどこを歩いても退屈しないでしょう。目前の縞模様から途方もない過去が見えるのは学問した人の特権です。そのような知識があれば旅の価値は一変するはずですが、縁なき衆生は、この層のどこかに石炭層が挟まれているのだろうかくらいのことしか想像できません。
ドラゴンフルーツ 170710
とんでもない値札を付けたデパ地下のドラゴンフルーツはご存じでも、それが地べたに生えるか木に成るかは知らない人が多いのではないでしょうか。なんと赤いドラゴンはサボテンの実なのでした。切ってよしジュースにしてよし南国の味です。
タコノキ 140421
西欧でタコとイカは悪魔の魚だそうですが
日本のタコは鉢巻きをして愛嬌を振りまきます
足で蛸踊りするからタコノキ
タコのマイケル・ジャクソンです
これはパイナップル 170701
これはアダンの実 140421
なんで森の木にパイナップルが成る?
と思わず目をこすりました
初めてアダンの実を見た人はみな
そのように錯覚するみたいです
西表島にも田んぼはありますが 130910
農家の伜の目でみれば
その辺に農機を放っぽらかしてたりして
どうも気合が足りないのです
「なんで?」と訊いたら泡盛くさい息で「ダッカラヨォ」と応えるのが沖縄流、Korea語だと「ケンチャナヨ」、アラブ世界では「アッラーアクバル」すべては神の思し召しのままにと他者へ責任転嫁するのが世界の常識です。むしろ仕事は美徳だ、頑張らねばと必死カッパで通勤電車に乗るヤマト人の方が変わっているのかも知れません。
某氏某女史につくってもらったこのブログも気がつけば今日で丸1年です。この世にデジカメというものがあらわれた2002年以来たぶん10万枚を超える写真が眠っており、こんな調子で過去を振り返っていたらぼくの人生は終わってしまいそうです。劇画「ジパング」に「生きることは見ることだ」という箴言があります。見たものを繋ぎあわせたら個人史になるのかなと思いながらせっせと作業しました。
西表島編はもうちょっと続きます
210320記