ドンと儲けたということはドカンと失っちまうことだってあり得るので、老婆心ながら「預金しといた方がええんちゃう?」というような話を韓国の別荘持ちにしたことがあります。彼一瞬目がマジになりましたが、当時は余裕のよっちゃんだったらしく、その後も所有地を広げ、新たに小屋を建て、ぼくの為に一室を作ってくれたりもしました。
高知県産材が高知港から韓国に届いた 070823
フォークリフトで別荘へ 070823
全羅北道の別荘 070823
3つの絵は高知県産のスギ・ヒノキが
全羅北道にある友人の別荘に届いた
という話なのですけれど、短く書くには
余りにも長い経緯があり
悲しい想い出もあり
いずれ整理したいと考えています
ここはいつでも泊まれる他人の別荘でしたが
放浪癖のある自分はヤドカリが好きで
苦節ン十年後にやっと得られた自由をもって、わが生涯はじめて買ったピカピカのワンボックスを動く別荘とし、九州は枕崎から北海道の宗谷岬まで走りました。新車はシャンと走ってシャンと止まります。へえ! こんな世界もあったのかと中古車に封じられたわが生涯をいくらか悔やんだものでした。
車だから道さえあれば、どこでも行けるし、寝られるはずとタカを括って出発しましたが、滅多なところで車中泊しているとパトカーがやってきます。三重県山中の道路脇で休んでいると目の前をパトカーがよぎりました。警官の目はナンバープレートの登録地に向けられるらしく、四国を出るとやたら目立つ「高知」がチェックされたか、自分の運転が不審がられたかは分かりませんが、Uターンしてきたパトカーに追われて停車させられ、車の窓越しに若い警官と押し問答になりました。
「何か?」「免許証を見せてください」「わたしが何か悪いことをしましたか?」「いやそういうことではありませんが免許証を」「何もしていないのに免許証を提示する義務がありますか?」「ともかく免許証を」「わけもないのになぜ免許証を見せなければならないのか。あなたは警官ですか? だったら警察手帳を持っていますね。先に見せてください」と逆襲したところ彼は胸のあたりを探って「これです」と黒く厳かな意匠の手帳を取り出しました。やられっぱなしでは悔しいので対価を求めたわけですが、おかげで生きた警察手帳を見る機会に恵まれました。当節の子どもっぽい絵が付いた預金通帳やカード類とちがい、権威をにじませたデザインでした。やや胸のつかえが下りたので、ではどうぞと青い(前科者の^^)免許証を差し出したことでした。
伊賀焼 130602
尊敬する陶芸家の知人によると
宋の時代の一級品には欠点がない
しかし「超一級品にはどこかに
わずかな疵がある」のだそうです
「う~ん」と唸って疵というより
地球の裂け目を思わせる
伊賀焼の壺を思い出しました
焼成過程で割れちまったものですが
この傷跡に華を見る日本の美学は
かなり特殊な文化なのでしょう
新潟の海沿いの公園で昼寝をしていたら、ここでも警官に窓ガラスを叩かれました。寝ていたところを起こされると状況理解に時間がかかります。やや間を置き「ここは駐車場でしょ? 何か?」と確認しましたが、例のごとく「免許証を」求められました。チマチマした交通違反なら何度もやっており、白バイに追われてバイクを停めたり、パトカーに連れ込まれたりした経験はありますが、悪いことは何もしていないのに免許証とは何事か「提示義務がありますか?」と拒みました。「すみませんが免許証を」と穏やかに繰り返すので、しぶしぶ見せはしたものの犯罪者を見るような目で見られるのは良い気持ちはしませんね。日本海側は対岸国の小舟や浮遊物が流れ付くことがあり、新潟には原発もあるので神経質になっているようです。
ちなみに白バイやパトカーに追われて車を停めると警官は「お急ぎのようでしたね」とか何とか、場に似合わぬ笑みを浮かべて寄ってきます。業務と言葉がちぐはぐなので、あの落差は何じゃろと考えていたところ事情通が「あれは交通警察のマニュアルにあるのですよ」と教えてくれました。「ドヤしつけて反発されるより笑顔でサインさせれば手間がかからない」のだそうです。
静かに見えても湾の内外では風も波も全くちがいます
2馬力の船外機でゴムボートを走らせて分かったことですが
波が目の高さまで上がるとボートは傾き慌てて引き返す他ありません
べた凪の日でなければ外海には出られないことを知りました
江戸期の船は帆が1枚きり
追い風に帆を上げれば楽に進みますが
向かい風に逆らって櫓を漕ぐのは大変かと
命を張って沖へ出た北前船の船乗りが
安全祈願の絵馬を奉納した気持ちが偲ばれます
四国を離れて目立つのは何といってもナンバープレートの県名です。北海道はダム脇の駐車場で運転席の窓ガラスを枕にうとうとしていたら後頭部で恐ろしい響きがしました。すわ何事かと思って外を見ると窓を叩いたおっさんがわめいています。「いやあ珍しい。なんと高知から来ましたか。私も観光旅行で高知へ行ったことがあります。桂浜で坂本龍馬を見ました」とか何とか言いながら懐かしがってくれましたが、高知ファンは嬉しいんだけど窓ガラスは静かにコンしてよと、、
北海道沙流川の二風谷ダム 151014
傾いたコンクリート塊は階段状の魚道 151014
アイヌ居住地に建設された
ほとんど落差のない平地のダムに
どんな意味があるのだろう
広い川幅の狭い魚道を探しあて
登り切る魚がどれだけ居るのだろう
福島県の給油所に停めたときノズルを持った若いお姉ちゃんが、じっとナンバープレートを見つめ、驚いた声で「高知ナンバーは初めてみました。わたしは漢字の組み合わせに興味があるんですけど高知って頭よさそうですね」とマジな目で感心してくれました。高知の人間がみな「高い知」を持つわけではありませんが、ホメ言葉をもらうと悪い気はしないものです。「いやあそれほどでもね~ヨ」とクレヨンしんちゃん風にアタマを掻いて別れました。高知では「高が知れている」と自虐的に読みますけど^^! 高知県をぶら下げて遠出するといろんなコトが起きます。
福島県 飯館市110816
事故後5カ月を経て
主を失ったお屋敷に雑草が伸びた
福島県 飯館市110816
封鎖された牧場入り口
福島県 飯館市 130529
事故後2年目のポニー
福島県相馬市周辺のヒマワリ畑 110816
農でも趣味でもなく
放射能除去を狙って植えられた
切ない夏の花
210508記 つづく