ちょっと道草 210526  写真で Go to西表島16  波照間島から a

 

 

 

 

 

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波照間島ニシ浜から見た西表島 170711

 

芭蕉に囲まれた西表島の自炊宿=森の病院で10日ほどお世話になるうちに草臥れた体がやや調子を戻しました。折角持ってきたシュノーケリング三点セットは南風見田ハエミダの渚で使っただけ、このまま石垣港へ戻るのも悔しいので宿の女将さんに相談すると波照間島のニシ浜を紹介してくれました。小さな島にちゃんとしたホテルは1軒しかなく「さあどうかしら」ってことでしたが、運良く一部屋空いていました。

 

波照間へは石垣港から巡航船が出ており西表島に客がある日は大原港で拾ってもらえます。が「電話しとかんと置いていかれますよ」とのこと、どこかローカルな感じがして嬉しくなりました。

 

 

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石垣港にて 170712

プロペラが3つ? 並ぶ巡航船

 

石垣港から離島へ向かう旅行客は巡航船の足の速さに驚かされます。出航後わずかな時間を経て港を出るとバイク並に加速し、背中に軽いGを感じたころ飛沫は窓を打ち、船は揺れ、傾いた船室の荷物がズレたりします。平成21年には「船首が大波の波頂に乗って波間に落下し、前部客室の旅客2人が、座席から身体が浮いて離れた後、座席に自由落下した衝撃で腰椎を圧迫骨折した」こともあるそうです。報告書のリアルな描写が印象的です。シートベルトはしとかねば、、たまたま後方デッキで撮ったビデオが残っていました。論より証拠をご覧ください。

 

 


白波を蹴立てて走る高速船 第38あんえい号 170712

総トン数19t 旅客定員89名 航海速力38ノット(時速70㎞ !!! )  *wikiより

 

高知県宿毛市片島の巡航船は20ノット(時速36㎞)ほどで沖ノ島へ向かいます。これに倍する速力で海面よりわずかに高い目の位置から見る風景はなかなかのものです。そのむかし宿毛湾で公試航行した戦艦大和の最高速力が27ノット(時速50㎞)、イージス艦あたごが30ノット(時速56㎞)です。この辺りが巨大船の限界のようなので速さだけの勝負なら細身の小型船が圧勝しますね。

 

なぜこれほど急がねばならないのかといえば、競合2社が集客のタネに足の速さを置いたからだろうと思われます。狂ったようにブッ飛ばす「海の暴走族」はそれ自体が観光のたのしみでもありそうです。

 

 

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石垣港に掲示してあった石西礁湖の航空写真 170712

 

石垣島西表島に挟まれて竹富島小浜島、黒島、新城島アラグスクジマ が見えます。陸から見ればフツーの海ですが、干潮時の「礁瑚」は浅く、うっかりするとサンゴをひっかけたりすることもあるからか、航路は限定されます。ネットを検索すると「おそらく半没式プロペラを装着しているのだと思いますよ。従来型のプロペラに比べて波に弱く、旋回性能や乗り心地は悪いですが、ジェット同様に水中抵抗が向上しますし、喫水が浅くなるので、サンゴ礁の多い海域では有効なんでしょうね」というプロっぽい書き込みがありました。

 

たぶんこの世で一番のろいフネは、空気が抜け、張りがなくなったゴムボートです。空気密度は温度に左右され、オカでパンパンに張ったゴムボートも冷たい水に触れるとしぼみます。何年か前、四万十川の河口で船底が平らになったゴムボートを風上に向けて漕いだことがあります。水のねばりと風圧のえらさを体で知り、もはやこれまでと古いボートに別れを告げたことでした。新たに買い込んだフネは船底に龍骨っぽい仕掛けのある2馬力の船外機付きゴムボートです。片手で持ち運びできる免許不要のエンジンではありますが、必死カッパでオールを漕がねばならないボロブネとちがい、流れる風景をゆったりと眺められます。横波半島は浦ノ内湾に浮かべたのが昨春のことでした。ちなみに、あんえい号のエンジンは1000馬力超だから、おいらのゴムボート2馬力×500台w!

 

 

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ドラゴンボール巻2より

 

君子の交わりは淡きこと水の如しと言いますが、水は泳いでも潜ってもプロペラを回しても重く、水のねばりを如何に回避するかが高速船のテーマです。ならば船を水から切り離せというコンセプトで水中翼船やホバークラフトが開発されましたが、むろん用途によって一長一短あります。泡で船底を覆う。プロペラの代わりにヒレで進む。帆を掛ける。ソーラーパネルを張る等、環境時代の今さまざまな研究が行われているようです。石垣島の巡航船が選んだのは客を船室に閉じ込め、思い切りプロペラを回すという力ずくの方法でした。速力38ノットの船がもうひと頑張りすれば魚雷と張り合えます。石垣島へ向かわれる皆さまには是非お試しを!

 

 

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西表島大原港から波照間港へ 170711

 

波照間島に渡るには小さな巡航船でスッ飛ばす他なく、夏場の凪いだ日は快適ですが、台風のうねりが島に届く季節には、船は運休⇒仕事の合間を縫ってやって来た観光客が、帰るに帰れず、スマホ片手に陳謝する風景も見られるのではなかろうかと^^!  むしろアクセスが悪いからこそ島の自然が守られたとも言えます。

 

 

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波照間島空港170712

 

波照間島には800mほどの滑走路を持つ休止中の小さな空港があります。ほりえもんが自家用ホンダジェットで舞い降りるのであれば問題ないかなというかわいい空港です。過去何度も開港休港を繰り返し、あらためて2021年9月に再開予定らしく「石垣~波照間間で1日最大6往復を想定」「運賃は島民用片道3000円という破格値」「旅行者用価格はもう少し高くなりそうですが、リーズナブルな空の旅が期待できそう」ですが、素人目にも商用運行がペイするとは思えません。ドクターヘリの着陸地としては有効だし、別の意図があるのかもしれませんが、赤字補填はどこの誰がするんだろと思ったりします。

210526記 つづく

 

 

補記

いつもの思うことですが、飲食店のみならず旅行業界もまたコロナで苦戦しているはずです。西表島の仲間川、浦内川のマングローブ林を行く観光船は営業しているのだろうか、業者の暮しは成り立っているのだろうかと心配になります。

 

一方で発生元のChinaは早々とコロナ禍克服を謳い、世界経済は回復基調にあるようです。新聞テレビで刻々と伝えられる陽性者数・死者数は果たしてどこまで深刻な話なのでしょうか。記述の細部は真実でも全体として嘘になることもあるのが報道の常です。フツーの国語力で記事バランスを考えたとき、1.2億人もいる国で、わずか百人千人の動向が国の命運を左右するわけもなく、書き手の意図は違うところにあるのだろうと思わざるをえません。

 

県外遠征した高知のスポーツ部員がコロナを持ち込みデカデカと報道されました。しかし学校現場もコロナ慣れしたか、アルコール消毒でお茶を濁して授業は続けているそうです。部員の症状はといえば「喉が痛かった」ていどのことだそうで、コロナという言葉がなかったら、のど飴でもしゃぶってお仕舞いだったのかもしれません。しかるにテレビ新聞ではワクチン接種が声高に語られ、もっと寄越せ、打たなきゃ損だというニュースばかり飛び交っています。記者やデスクや経営者やその家族は、人類初の遺伝子ワクチンを迷わず打ったのでしょうか?