フットワーク の軽いバイクなら奥山の林道でも
海辺の細道でもがんがん行けます
西も東も走りましたが
対馬北部西側の海岸線にはゴミが非常に多いです
湊浜海水浴場 2021.10.01
上掲2枚の写真は
右と左でつながっています
向かいの山にご注目ください
ことばの厳密な意味での原始林は、もはや
地球上どこにも存在しませんが
その土地の樹種がほぼ手つかずのまま残され
稜線に構造物が見えない山は珍しく
美しい森と浜辺のゴミを対比させると
シュールな風景が見えてきます
対馬市上県町佐須奈棹崎公園下の磯 2021.10.01
風と海流の関係か日本海ではゴミも煙も西から東へ動きます
暖流と寒流がぶつかる日本海の好漁場には沿岸国の漁船が行き交い
おのずと漁具はこのような末路をたどりがちです
発泡スチロールの国籍まではわかりませんが
ここは釜山までわずか50㎞なので
ハングル表記の石油製品も多く見られます
対馬市上県町の海岸 2021.10.02
浮かぶゴミは風に吹かれ
入江に集中します
対馬市佐須奈井口浜海水浴場 2021.10.01
脳内コンピュータで画像処理し、ゴミを消すと
砂と海のロマンチックな景色に変わります
水平線に夕陽を落とし光の帯を見つめる
恋人のシルエットを置けば
カレンダーの写真になりそうです^^
上掲井口浜海水浴場 2021.10.01
バケツを拡大してもらうと「騰豐」が見えます
「豊」は日本文字
バケツの「豐」は繁体字の台湾文字です
豐の山に挟まれたヤキトリ「三本串」を分離するとChina文字になりますが
浜に現代Chinaの簡体字は見当たらなかったので、ここでは
バケツの台湾、ハングル飲料器の韓国、米袋の日本が
悲しくも切ないゴミの三角交流をしているのでした
隠岐島「島前」西ノ島海水浴場 2019.08.31
目を皿のようにしてもゴミが見当たらない海水浴場
島人はこれを当たり前の風景として気にもとめないようです
探せばゴミが打ち寄せられている所はありますが
対馬北部の西海岸ほど大量のゴミが集積した場は記憶にありません
五島列島三井楽の海岸 2020.08.28
かつて遣唐使の一行が
ここを限りに日本を離れ
東シナ海にむけて出航した海です
上掲三井楽の海岸の清掃作業 2020.08.28
海岸線のほぼすべてをバイクで回りましたが
三井楽の磯で海ゴミが散乱する光景を見た他は
対馬北部の西海岸ほどゴミだらけの印象は残っていません
潮通しのよい五島列島にも海ゴミはありますが
片目をつむればまあ許せるかなという程度です
歩くのが勿体ないほど清浄な海水浴場でしたが
惜しむらくはコロナのせいかヒトがひとりもいないこと
湘南の海水浴客が見たら何を思うのでしょうか
国道脇に車一台がやっと通れるほどの小道があったので
くねくね曲がりながら下りて行くと
小さな入江に船の墓場がありました
上掲千尋藻入江の谷間 2021.10.01
入江に隣接した谷間は粗大ゴミの集積場でした
ゴミ捨て場といえば、それまでですが
いずれ谷は大型廃棄物で埋まり、土が被せられ
1万年後に考古学者が堀り起こして
首をかしげることになるのかも
対馬にかぎらずバイクを走らせながら
よい景色だなと思って野山に分け入ると
山のてっぺんがゴミ捨て場だったりします
道路から見えないように緑で隠しているから
ふだんは気がつかないのですが
今となってはGoogle mapで一目瞭然です
「捨てる」と言っても物質の移動にすぎません
ゴミ処理のセオリは焼くか埋めるしかなく
海へ流すのはもっての外です
高市早苗議員が討論会で飛沫防止のアクリル板処理について語っていました。今やスーパー、レストラン等あらゆる場にパーテーションが置かれていますが、それを全部あわせると凄い量になりそうです。めでたくコロナ禍が終息したとして、いったいどこへ捨てればよいのか、そのためにどのような法律を作ればよいのかという立法府からの問題提起でした。
むかし東京湾に夢の島という美しい名のゴミ捨て場がありました。現在はスポーツ公園として地上は生まれ変わり、地下のありさまを見せない仕掛けになっています。拙宅の近くにゴミ焼却場がありますが、迷惑施設はスポーツ施設と合わせて持ち込むのが行政の常であり、ここにはゴミ処理の余熱を利用した「ヨネッツこうち」という立派な温水プールが付帯しています。高知市東部球場はし尿処理施設とセットです。橋本大二郎氏が高知県知事のとき大議論のすえ建設された日高村のゴミ処理場も満杯になり次の施設、その次の施設をどこに造るかという重いテーマが行政を悩ませています。「それは大事なことなんだけどウチの近くは遠慮してもらいたいな」という得手勝手な話を県職員と交わしていると彼ら苦しげな顔をしますね。
文明とはゴミをつくること
その最たる行為が戦争です
20021.11.28記 つづく