ひとり旅 220423 ロシア編(11  イマジン ロシア・ウクライナ戦争 大谷翔平

 

 

 

 

 

 

ジョンレノンが Imagine を書いたあと妻オノヨーコは「当初これほど大きな歌になるとは思わなかった」と語りました。静かな曲に乗せた非戦のイメージが、ベトナム戦争に嫌気が差した若者の心に浸透したのでしょう。歌の価値はファンがつくります。

 

ジョン・レノン

 

イマジン(想像しなさい)は平和を願う人々の聖書であり

異論を挟むことは許されないほど「大きな歌」ですが

ロシア・ウクライナ戦争の現在から読むかぎり

夢想家の寝言でしかありません

 

Imagine there's no Heaven
It's easy if you try
No Hell below us
Above us only sky
Imagine all the people
Living for today...

 

天国はない

地獄もない

ひとは今を生きる

 

いきなり天国を否定された宗教家は困惑したことでしょう。悪いことをしたら地獄へ落ちるぞと脅されてヒトは良い子に育ちますが、この世に地獄も監獄もないとなれば、本能の赴くまま何をしたってかまわないことになります。

 

高知県須崎市の廃高校に「今を生きる」という碑があります。かつて橋本大二郎高知県知事が揮毫したものですが、大ちゃん若かりしころ日本武道館ビートルズのライブを観たそうなので氏の記憶にLiving for todayというフレーズがあったのかもしれません。

 

Living for todayという不思議なフレーズには過去も未来もありません。昨日がなければ明日もなく、ビデオの瞬間を切り取ったような「今」を生きることが、果たして人間にできるのだろうか?

 

 

Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace
 

国家はない

殺し殺されることもない

宗教さえない

 

国家がなければ戦争はありません。宗教がなければ宗教戦争はありません。戦争原因を除去すれば殺し殺されることもありません。しかし国家も宗教もない絶対平和の空間でヒトは幸せに生きられるのだろうか? 仏教的な平和状態にあって平和という言葉は意味を成すのだろうか? 世界がひとつになれば、むしろ新たな争いがつくられるのではないだろうか?

 

 

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one

だからI'm a dreamer(だと伏線をはり)

その夢を皆で見れば(と他者をさそい)

「世界はひとつ」になるだろう(と願望をのせて)

平和がもたらされるという流れ図です

 

 

Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world
 

所有せず欲張らず

すべてを分かち合えば

飢えることもない

 

それは宗教家が肉体を痛めつけて到達しうる悟りの境地であって常人が参加できる場ではありません。ひょっとするとそれは終戦時12歳だったオノヨーコが空爆下の東京でつちかった非戦のイメージかも知れず、あるいは彼女の体に染みついた仏教的涅槃のイメージが、ジョンレノンに感染したのかもしれません。

 

 

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will live as one
 

みんながそう思えば

世界は「ひとつ」になる

 

平和願うジョンレノンの心に偽りはないだろうし、なればこそ世界の人々はイマジンに共感したのでしょうけれど、世界が「ひとつ」になれば逆に悪徳を迎え入れることだってあるのではないだろうか?

 

集団には引力と斥力が同時に働きます。それが身近な仲間であれ、国家群の統合状態であれ、分散した小集団が「ひとつ」になれば、すぐにも内部分裂が始まります。

 

かつてソ連という社会主義共和国連邦がありました。1991年に12の独立国家共同体に分裂したさい「ウクライナにはICBM176基、戦略爆撃機46、核弾頭は実に1592発が存在していたが、第一次戦略兵器削減条約のリスボン協定に基づいて、全てロシアの管理下におかれた」「こうしてCIS(独立国家共同体)内にロシアを中心とする統合派と、ウクライナジョージアなどからなる反統合派の2つのグループが成立することとなった」wikiとあります。

 

経済においてはルーブル圏を離脱し、西側を志向するウクライナに対し、ロシアはウクライナを引き寄せようとして「ロシア・ウクライナ戦争」を始めました。いまロシアと長い国境を有するフィンランドにも同様の動きがあり、ロシアの出方によっては新たな悲劇が作られるかもしれません。

 

 

「全ロシア将校協会」イヴァショフ会長

 

国家間の斥力はどこに発生するのか?

ウクライナ侵攻の8日前2/16(水) 6:03に配信された「全ロシア将校協会が“プーチン辞任”を要求…!」と題する記事においてイヴァショフ会長は「ロシアは、ウクライナを自分の勢力圏にとどめておきたい。どうすれば、そうすることができたのか?」「ロシアの国家モデルと権力システムが魅力的なものである必要があった。しかし、ロシアは魅力的なシステムを作ることができなかったので、ウクライナは、欧米に行ってしまった」と、恐らくは身の危険を省みず、堂々たる分析をしています。

 

上記記事は★220222ひとり旅(番外編)で引用したものです。フェイクではなかろうと思われますが、局所拡大的な記事ではあるのかもしれません。嘘と本当の境が見分けられない時代なので自分を信じる他ありませんが、「ロシアは魅力的なシステムを作ることができなかったので、ウクライナは、欧米に行ってしまった」の一文は見事です。

 

国家間の引力は「魅力」がつくり、「魅力」のなさが斥力を生みます。しかしその「魅力」が自由主義国にあるのか、社会主義を標榜する独裁国にあるのかは、にわかに判断できないところがあります。独裁者プーチンは、所得の極端な格差をもたらしたアメリカ的資本主義は、もはや公序良俗を逸脱したレベルにあり、矛盾にみちていると語ります (アメリカ人は反論できないでしょう) 。しかし旧ソビエト社会主義共和国連邦は崩壊すべくして崩壊しました。ぼくは真の社会主義は人類の理想だと思う者ですが、今のところ社会主義が独裁の別名であることは誰だって知っています。

 

仲間⇒ムラ⇒マチ⇒県と広がる最大規模の集合体が国家であり、国家が安定するためには敵性国家が必要です。ロシアという敵を迎えた今、ウクライナの民心は強固に結ばれたそうです。大戦時、米軍による空襲下の東京都民も互いにいたわり不足を補いあったそうです。

 

国家の壁が溶け

世界が「ひとつ」になるには

地球をゆるがす大災害が発生するか

宇宙人の来襲に対抗すべく

否応なしに結束するほか考えられません

 

過去も未来もなく

殺し殺されることもない

安寧を想定するのは自由ですが

仏教的涅槃のような平和は

夢想家の夢でしかありません

 

林芳正外務大臣がG7の夕食時ビートルズ博物館で「イマジン」を歌いました。即興でピアノが弾けるなんてカッコいいなと感心しつつも日本国を代表する方が、調子にのって「no countries」などと歌って大丈夫か?  氏は「イマジン」のもつ無政府主義をどう捉えているのだろう?   更に言えば報告会において日本メディアから質問も批判も出なかったのはなぜか?  まさか記者たる者がイマジンの歌詞内容を知らないわけはないだろうにと疑念は尽きません。

 

とかくネットの評判はよくない人ですが、ぼくは林芳正氏の話を聴いたことも書いた文を読んだこともないのでネット情報が嘘か本当かは判断できません。何をしても批判されるのが政治家の宿命ではありますが、本居宣長が言うところの「やまとごころ」は忘れてもらいたくないですね

 

Imagine / John Lennon & Yoko Ono

 

2022.04.23記 つづく

 

 

 

 

 

<2022年の現在史>

大谷翔平があんなことをするので

大リーグの超絶選手の間でバントが流行っています^^

投げて打って「疲れないか?」と問われたShohei君は

「疲れるってどういう状態のことですか?」と逆質問しました

なんともはや…

 

それにしても

4月21日の対アストロズ戦にはしびれました

スポーツネットの書き込みがたのしいです