ひとり旅 220721  追悼(2 安倍晋三 麻生太郎 選挙公約 成長の限界

 

 

 

 

 

国後島 2016.09.25

 

経済支援と4島返還をテーマに安倍総理プーチン大統領と27回も会談したにもかかわらず島は戻って来ない。シンゾーはウラジーミルに遊ばれたのではないかという声もあります。が、ものは考えようで、実のところ安倍総理の対ロシア政策は、敵意を剥き出しにする中国を牽制するためでもあったという説もあります。

 

麻生太郎安倍晋三元総理の弔辞において「いかなる局面においても、日本という国、および国益を最優先する信念、先生と私をつなぐ一番の絆だった」と振り返りました。

 

麻生太郎が提唱した「自由と繁栄の弧」政策は、安倍晋三の「自由で開かれたインド太平洋戦略」につながるものでしょう。いわゆる「価値観」外交であり、価値観の違う国との対立を予測させるものではありますが、白黒付けて敵味方を分断し、軍事的に対立するのではなく、日米同盟を機軸とし、中国ロシアとも仲違いせず、曖昧なまま関係を維持しようというソフトな戦略であったと言えそうです。

 

麻生内閣はわずか1年で解散しましたが、麻生太郎が漫画ファンであったことから内閣成立時には漫画業界の株価が上昇するというオマケ付きでした。総理大臣がマンガを読んでどうするという批判もありましょうが、ビット数の少ない文字に対し、漫画は静止画の連続体なので情報量は格段に増え、瞬時に全体像がつかめます。忙しい人たちには便利な媒体であり、加えて日本漫画がその文化性において世界ダントツのレベルにあることは疑いありません。むかし韓国の大学生女子と漫画について語りました。「韓国にも漫画はありますが微妙な表現には問題が…」残るとのこと。

 

 

90度回転地図で見た北方領土

 

漫画好きの麻生太郎は、東大法学部卒の受験エリートでもなければ、万巻の書に囲まれて論文を書く政治学者でもありません。政治は世界を大掴みする作業であり、世の中が手に負えないほど複雑化した今どんなに頭のよい人でも個人の情報整理力には限界があります。一方いわゆる官僚は、各論分析に忙しく、世界を大局的に捉える物理的余裕が失われます。そこを突破するには政治家と官僚のよき役割分担が必要になるのでしょう。

 

6月26日参院選の応援演説で麻生太郎は、ウクライナに侵攻したロシアが「東に攻めてこないという保障はありませんよ」「自分の国は自分たちで守る」「向こうが撃ったら撃ち返す」「戦う意志がなければ抑止力にはならんのです」と述べました。憲法9条に縛られた微妙な発言ゆえ一歩間違えば政治生命が吹っ飛ぶはず、路傍で聞くには難しすぎる話を、日常語で堂々と語れる政治家は稀です。

 

やられたらやり返すが、先に手を出すことはないという専守防衛の思想は、宇宙からの敵と戦う悟空が実現しています。書きかけの「Dragon Ball編」のオチは正しくそこにあるのですが、麻生太郎が簡潔な言葉でバラしてくれました^^!

 

世界のスタンダードで言えば

Peaceは互いの武力が拮抗した状態を意味します

ところが日本語の「平和」には

互いに武力をもたない仏教的安寧さえ感じられます

 

日本は侵略しない。したがって相手が侵略して来ることはないという不思議なロジックの深部には仏教なり神道なりのやわらかい精神が控えているのかもしれません。なればこそ日本はGHQにあてがわれた憲法を戦後77年、後生大事にかかえて来たのであり、今なお国会において通常の思考力では理解できない議論が展開されているのではないかと思うわけです。

 

参院選時の各党のチラシから

以下のキャッチコピーを拾いました

 

1) 言葉の力、アメリカ軍の力で

日本を守れという静かな論理です

 

「外交による平和」

「外交の力で沖縄・南西諸島を戦場にさせない」

「日米の役割分担を前提とした防衛体制を整備」

 

2) 口と他力本願説に対し

勇ましく戦えとする政党もあります

 

対中包囲網の形成」

「国防費3%以上」

自衛隊を名誉ある国軍へ」

自衛官に公務員最高水準の処遇を」

竹島尖閣諸島への軍事的対抗」

核武装の準備」

スパイ防止法

 

3) もっと素晴らしいのは

国防と財源には全く触れず

以下の福祉を堂々と公言し

複数の当選を果たした政党公約です

 

「消費税廃止」

ガソリン税ゼロ」

社会保険料引き下げ」

「教育無償・奨学金チャラ」

 

これが20世紀の選挙なら

色々あって楽しいネで済みましたが

世界がインターネットとロケットで結ばれ

国家間の争いが距離0で展開する今は冗談では済みません

 

1950年現在< 25億人>だった世界人口は

2020年に<77億人>

2050年の推移予想では< 93億人>にまで増加します

 

 

1986年に読んだ「成長の限界

 

1972年にローマクラブが「成長の限界」で予測した人口グラフも凡そそのような曲線でした。「人口増加や環境汚染などの現在の傾向がつづけば、100年以内に地球上の成長は限界に達する」と結論付けた論文です。それから50年後のいま学者の予測って当たるものだなと恐ろしく思います。⇒コロナ禍やウクライナ戦争を人口推移から導くSF的な「陰謀論」もありますね。

 

 

閑話休題

鈴木宗男議員とともに北方領土返還交渉にたずさわり、あおりを喰らって512日の刑務所生活を強要された佐藤優が、プーチンの弔電(前号掲載)を含め、ロシア要人による安倍晋三評を翻訳し、事件後3日目にアップしています。以下要点を引用します。

 

なぜ冷徹なプーチンが遺族に弔電を送ったのか…

「ロシア政界が安倍晋三を尊敬していた本当の理由」

佐藤優  2022.7/11(月) 13:16配信

https://president.jp/articles/-/59497

 

1 )「日本の知識人と政治家は、しばしば米国の立場を自分の見解のように述べる。しかし、安倍氏はそうではなく、自らの理念を持っていた。もちろん安倍氏は反米ではなかったし、親ロシアでもなかった。偉大な政治家として独自の行動をした」

(ヴャチェスラフ・ニコノフ氏)

 

2)「安倍氏は米国との同盟関係を維持しつつ、日本の独立性を確保しようとした」「安倍氏は、ロシアが強くなることに賭けた」「ロシアの弱さにつけ込むという賭けではなく、ロシアの力を利用し、強いロシアと日本が共存する正常な関係を構築することだ。これが、安倍が進めようとしていた重要な政策だ」「もちろん現在の(岸田)日本政府は、別の政策をとっている ~中略~ しかし中長期的展望において、安倍氏が提唱した概念の遺産、すなわち日本が世界の中で独立して生きていかなくてはならず、どのようにアジア太平洋地域の強国との関係を構築し、強いロシアと共生するのかという考え方は、日本の社会とエリートの間で維持される」

(イワン・サフランチューク氏)

 

3)「安倍氏は~中略~日米同盟の強化とともに、日米同盟の枠内で日本の独立を確保することを真摯に考え、そのためにロシアとの関係改善を図っていたことは間違いありません」「ロシアと中国が連携して日本に対峙する構造が作られることを、安倍氏は阻止しようとしていたのです」「安倍首相時代の日本外交は、一貫して対話重視であり、どこまでもリアリズムで戦略的でした。アメリカが軍事支援を続けるウクライナでの戦局の行き詰まりが、その真価を浮き彫りにしつつあります」

(佐藤優氏のまとめ)

 

上記は弔意を評したものなのでリップサービスは差し引いて読まねばならず、ぼくとしても故人をいたずらに称揚するつもりはありませんが、日本国をむやみに矮小化するメディアは、安倍総理の外交的功績をほぼ無視し、代わりに国家の存亡という角度から見れば些末な小事を局所拡大し大騒ぎしてきました。直近の歴史事実を正当に認識することも大切です。以下ネットの書き込みから拾った功績一覧を一部列挙します

 

(民主党とりわけ鳩山内閣によって)壊滅的だった日米同盟の再構築

自由で開かれたインド太平洋戦略の提唱

日米豪印戦略対話クアッドの提唱

平和安全保障の成立と集団的自衛権の行使容認

資源外交、エネルギー食糧供給の多角化

EU戦略的パートナーシップ協定

(核開発に必須のフッ化水素他の)輸出管理強化

最終的かつ不可逆的な慰安婦合意

 

紙とテレビの表メディアは全く語りませんが、ぼくのような者にさえ今の日本の幸せは風前の灯火のごとく映ります。20世紀の日本人は、強い経済に守られ、国民も政治家もその言動に責任をもたずとも生きていけました。しかし経済と技術が新興国へ散らばり、相対的に国力を落した21世紀の日本はかつての日本ではありません。何の不安もなく深夜に散歩できる日本国の幸せが、チベットウイグル南モンゴル、香港、ウクライナおよび旧ソ連の支配圏、あるいは軍事力を過剰に抱えたアメリカによって(それが本当に必要であったとは思われない)攻撃を受けた国々を思えば、美しい日本国憲法の賞味期限は終わったかなと思うわけです。

 

 

追記

「銃撃された」との電話を受けた瞬間、ケネディー暗殺を連想し、背後の組織は何か、何を意図して? と考えました。どうやら個人の愚かな思い込みのようではありますが、充分な説明があったとは思えません。気になるのは警察会見の途次「宗教組織」という言葉が漏れたとたん記者の質問が横に逸れたような気がしたことです。

 

統一教会会長の緊急会見においても若手記者の追求の矛先は鈍く、彼ら何かに忖度しているのだろうかと疑心暗鬼を拭いきれません。一方で、統一教会と安倍、統一教会と岸との関係をしつこく糾す質問もあり、矛先の温度差から目的意識の違いも感じられます。やったのは個人でも背後に教唆犯がいることだってあろうし、文字や映像で唆すことだってできるから、よく分からない話です。

 

与党にむけて何を語っても逆質問はないという安全圏から言いたい放題の国会中継にも飽きました。100兆円の国家予算を決める立場の者にカネに直せば数億のモリカケサクラを延々と議論する(させる)議員と(特定メディア)のあり方に深い疑念を抱きます。親の庇護を前提にヤケを言う子どもみたいですが、本音は隠された真実に触れさせないためのステルス戦なのでしょうね。

 

衆院選参議院選の各党パンフを集めてずっと考えていますが、たとえば「専守防衛」という今どきの武器技術と相容れない考え方をどう説明するのか、真面目な回答は見当たりません。気がつけば100均にmade in Japanが並ぶようになった日本経済をどう建て直すのか、与党も野党もきっちり説明してくれよとの思いで、今次選挙は微かな希望を求め参政党に入れました。ブログとはいえ愚痴こぼしの場ではないので以下省略します。巨星墜つの日に、合掌

2022.07.21記 つづく

 

 

今から原付110㏄で礼文島へ向かいます

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