ひとり旅 221026 バイク編(その4  風車 メルケル 天然ガス パイプライン 半導体

 

 

 

 

 

伊方原発のある佐田岬半島にずらりと並ぶ風車 2021.10.09

 

知り合いのオランダ人が四国の背骨に立つ風車を見上げ「ぼくはオランダ人だから風車は好きだ。だけどあの山に風車が置かれて山が小さくなった。神さまがどこかへ行ってしまった」と悲しい笑顔でつぶやきました。

 

 

ゴッホが描いた風車 ネットより

 

オランダの最高峰は322mだそうです。山といえば山ですが、丘よりは高いかなという程度でしょう。「低地の国々」にあるオランダはちょっと気を抜くと海水が浸入してくるので昔から風車が水を汲みあげてきました。ゴッホが描いた風車は、強風時にブン回る現代の風車とちがい、どこか頼りな気ではありますが、情緒的で絵になる風景です。

 

 

石の風ぐるま 愛媛県八幡浜市 2021.10.09

 

ゴッホの国からやってきたオランダ人が

風に吹かれてゆるゆる回る「石の風車」を見たら

いったい何を思うのでしょう

いつか訊いてみます

 

 

和歌山県有田川町の山中にて  2022.10.13

 

発電用の巨大な風車の下に立つと

トンネルに車両が突入したような

風切り音が気になります

 

ソーラーパネルと同じく風車の寿命は20年としたものです。美しい山に荒々しい道を付け、民家に低周波を与え、廃棄された残骸の山というシュールな風景は見たくないですね。それでも風力が大規模電源の代替として有効なら話は別ですが、風の力でこの世が救えるわけもなく、かといって妙案があるわけでもなく、所詮文明とは石油の海に浮かぶ小舟でしかないことを痛感します。

 

旧東ドイツで物理学を学んだメルケル前首相は原発推進派でしたが、2011年のフクシマ後「日本ほど技術水準が高い国でも原子力のリスクを安全に制御することができない」として脱原発に転じました。原発を危険視するのはドイツの勝手ですが、プーチンと仲よしのメルケルは「代替電源」をロシア産天然ガスに求めました。両国の友好関係がつづくかぎり正しい判断でしたが、フクシマから11年後の今年ウロ戦争が勃発し、NATOを敵視するプーチンの一声でパイプラインが止められました。冬を前にドイツを含む欧州全域がおののいています。▼よくわからない話ですが9月27日バルト海の海底パイプラインが何者かによって破壊されました。今日2022.10.26の日経新聞にはドイツ財務省「ロシア産ガス全廃をめざす」とあります。

 

 

2016年頃の写真  Photo Mikhail Svetlovネットより

 

2011年のフクシマ後

全国の原発が停止し

休止中の火力が一斉に稼働しました

計画停電という恐ろしい話もありましたが

よく乗り切ったものです

 

シンゾー、ウラジミールと互いに名を呼び合った二人が政治の舞台で微笑みを交わし、2016年には安倍晋三元首相の故郷山口県プーチン大統領を迎えました。日露の蜜月を演じる劇場でロシアは北方領土の返還を匂わせつつサハリンのガス施設への投資を誘い、原発電力を失った日本は天然ガス施設に投資しました。

 

 

サハリン⇒東京ガスパイプライン構想 ネットより

 

液化天然ガスを船で運ぶと高価な燃料になりますが、気体で送れば安くあがることから上記のごとく壮大なパイプラインが構想されました。しかしウロ戦争の最中ロシアがNATOへの恫喝としてパイプラインを止めたことからドイツ他の民主国は(たぶんキシダ日本国も)独裁国との約束は約束にならないこと知りました。

 

してみれば岸田首相がロシアに向け刺激的な言葉を投げた今、サハリン⇒東京間のガスパイプラインが稼働していたとすれば、プーチンがどう反応したかおよそ想像が付きます。▼中国には何も言えないのにロシアには強気を装うキシダとは何か? ツンと澄ましたテレビや新聞ではわかりませんが、玉石混淆のネットには日本国の近未来を読み解くヒントが置かれているように思います。

 

 

2月24日のウクライナ侵攻から8ヶ月が過ぎ

ロシア軍は南部から撤退し始めたようです

 

中国全人代ではなんと

胡錦濤がさらし者にされ

習近平の独裁が決まりました

もはやブレーキを失った習共産党の動きによっては

遠からず台湾侵攻が現実化するかもしれません

海上交通を失う日本も只では済みません

 

米中の争いを読み解く鍵は

台湾TSMC半導体にありそうです

かつて半導体は日本のお家芸でしたが

日米半導体交渉という名の横槍が入り

生産地は韓国と台湾に移りました

 

中国の弱点が半導体にあることを見抜いたアメリカは

日韓台をまとめて先端技術を囲い込む戦略を立てたと

ネットでは配信されていますが

ネットでバレる程度のことなら

中国は逆手を打ってくるでしょう

世界の動きは目まぐるしくこの先どうなるか

ぼくなどに読めるはずもありません、が

目をそらすわけにも行きません

 

「人権・半導体を軸にしたバイデン政権の対中制裁の強化と中国の応酬」と題した立命館大学名誉教授/関下稔氏の論文を読みました。2021.08.06脱稿とあるので、ウロ戦争を挟んだ今となってはやや古いかも知れませんが、ご興味の方はどうぞ。

file:///C:/Users/sukem/Downloads/ir_34_2_sekishita%20(2).pdf

 

2022.10.26記 つづく