ひとり旅 221102  日本所々(1 沙流川  昭和新山 有珠山

 

 

 

 

北海道「萱野茂二風谷アイヌ資料館」周辺の秋  2014.10.21

 

今となっては8年も前のことですが

日本海フェリーで苫小牧に下り

とりたてて目的もなく地図を右へ走ると

平取町を流れる沙流川に行き着きました

 

1996年に屋久島在住の友人が、タイはカレン族の首長、カナダインディアンの長老、北海道平取町アイヌの末裔に声をかけ高知市の自由民権館で「先住民の杜フォーラム」を開きました。いわゆる少数民族の置かれた立場を理解してもらい、かつ自然環境を守りましょうといった趣旨によるものです。アイヌ代表は平取町二風谷生まれの国会議員故萱野茂氏を予定していましたが、事情で貝沢耕一氏と交替しました。

 

*小さなブログながら顔写真と固有名詞の露出には注意しています。が、貝澤氏は公的な立場にもあるのであえてお名前を置かせていただきます。ネットを探ると貝澤氏のお顔があらわれました。フォーラムがはねたあと拙宅の縁側で酒を酌みながらアイヌにまつわる四方山話を訊かせてもらったことです。あれから26年が過ぎ、玉手箱の白い煙のむこうで、ずいぶんお歳を召されたなと…当然のごとく鏡の中の我が身もまた^^!

 

そのとき耳にした沙流川「二風谷ダム」建設の是非というより無駄なダムゆえ真っ向から反対という話を訊きました。もめ事は両方の声を聴け、問題は現場を見て考えるべしというのがボクの主義なので今次二風谷ダムの湖畔を歩きながら素人目線で考えました。ダム位置は丘のような高低差しかなく水力発電には使えない。下流域の治水また工業用水として必要なのかも知れないが、川の流れをここで断ち切る理由があるのだろうか? 流れが止まれば水は淀み暮らしとともにある畑は湖底に沈む。しかしカネに苦しむ人の前に札束を置けば心はゆれる等々ひょっとすると旧建設省は水利以前にダムを造りたかったのではなかろうかと邪推しました。

 

ともあれ翌1997年札幌地裁は「地権者である故萱野茂さんと貝沢耕一さんが北海道土地収用委員会に、土地強制収容の裁決取り消しを求めた行政訴訟においてアイヌ民族を司法の場で初めて先住民族と認定」しました。ダム建設の課題は経済から政治へと移行したわけです。かつて北海道にはアイヌに向けた「土人保護法」なる荒々しい名称の法律があり、二風谷ダムは土建のみならず政治と人権の問題でもありました。

 

 

鏡ダム下ショートカット予定地の蛇行部

 

高知市中心部に鏡川が流れています。その上流に鏡ダムがあり、ダム下流域は山を回りこんで蛇行します。水が曲がると洪水時に滞留する⇒ショートカットしてさっさと流せという案が出されましたが、ダムの放水を真っ直ぐ市内へ下ろすと街に水が溢れる。もちろん清流は傷つけたくない等々仲間と一緒に反対しました。最終的にショートカットは中止されたので勝ち負けでいえばボクらは勝ったわけですが、工事が本当に公益のためであるなら断固やらねばなりません。してみれば小さな市民団体に言われて中断した建設案には元々無理があったのではないか、背後に怪しい何かがあったのではないかと…まあそのような経験から余所ながらの目で二風谷ダムの建設経緯を想像したことでした。

 

この段、秋を探して

北から南へ下りる予定なのですが

1枚の写真から思い出すことが多く

つい横道へ逸れてしまいました

 

 

昭和新山の秋 2014.10.24

 

昭和18年(1943年)だから昔の話じゃありません

麦畑から山が生えて昭和新山になりました

 

平成3年(1991年)には九州島原に

溶岩ドームが盛り上がって

平成新山が生まれています

 

 

有珠山火口  2014.10.24

 

昭和新山の麓から

ロープウェイで上がった有珠山

平成12年(2000年)に大噴火し

今も噴気を上げています

 

平成26年(2014年)9月27日

御嶽山が噴火し63名の犠牲者を出した1カ月後

ここ有珠山の火口を歩いていると

地元のテレビクルーと出くわし

 

マイク持ちが御嶽山の噴火でぼくをビビらせ

「怖くないですか?」と問うてきましたが

じつはその時まで有珠山がいつ火を吹くとも知れない

恐ろしい山とは知らなかったので口ごもりました

 

 

洞爺湖の向こうに羊蹄山 2014.10.24

 

山頂の紅葉は終わっていましたが

下界は秋の真っ盛りでした

 

 

 

< 2022年の現在史 >

今日の日経新聞2022.11.02一面に「米、対中規制に追随要求」と題し、米日台韓EU(とりわけオランダ)による半導体をめぐる対中包囲網が描かれています。台湾有事は中国有事でもあるとし非常時に台湾中国から邦人を脱出させる手だてについても解説しています。遠からず台湾中国ひょっと韓国においても非常事態が発生するかも知れません。とすれば台湾と目と鼻の先にある先島諸島また既にメディアは親中丸出しの沖縄本島においても混乱はまぬがれません。にもかかわらず国会与野党は時間潰しに必死です~~

2022.11.02記 つづく