海事つれづれ五目めし200610 渚の温泉4  屋久島の森、高知の森

 

 

 

 

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那覇から関空へ向う飛行機の窓から見た屋久島 ?  199X年

書けばキリがありませんが今少し。「月に35日は雨が降る」屋久島の年間降水量は平地で4,500㎜、山間部では10,000㎜を超えます。インド洋で発生した高気圧が季節風となりヒマラヤ山脈にぶつかって東にゆれ、琉球弧を渡り、九州一の高さを誇る宮之浦岳1,936mに引っ掛かって山頂部に雨をもたらすのでしょう。ぼくは縄文杉宮之浦岳も知りませんが車で案内してもらった白谷層雲峡は曇りがちでした。

 

 

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屋久鹿199X年

おりゃ! バンビだと喜んでいたら鋭い目で辺りを見回した友人に制されました。知らずに親子の間に挟まれたら大変なことになるのだそうです。

 

 

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ヤクスギランドの紀元杉199X年

屋久島はぐるりと一周して凡そ100㎞。時速50㎞で走れば2時間で戻り着く小さな島です。狭い底面積にとんがり帽子のような高峰が立ち、山のてっぺんに猛烈な雨が降るから急峻な谷がつくられます。谷の瀬音と言えば水がちょろちょろ流れる感じですが、高山から下りる渓流は滝のように岩を打ち、消防のホースを壁に向けたような音が肺に響きます。あの音に1/fゆらぎがあるのかどうか知りませんが、小気味のよい音ではあります。谷が海沿いまで降りてもなお水流は力強く宿所でうつらうつらしていると肺が微かに瀬音と共振して不思議な気分になります。

 

高知県の年間降水量は全国1位の3,659㎜です。「ごっくん馬路村」を越えさらに奥山へ向うとスギの巨樹で有名な魚梁瀬があります。ここの年間降水量は4,107㎜だから屋久島にはマケますがまあ降り出したらとめどもなく水が落ちてきますね。魚梁瀬の千本山に残された杉の巨木は樹冠まで53mもあり競泳用のプールを立てたようなものです。子どもが手をつないで幹を取り巻くにはそれなりの人数が要ります。樹齢が100年単位1000年単位で語られるスギの巨木と降雨量には深い関係があるのでしょう。

 

その魚梁瀬の天然杉を伐って売ったら500万円を超えたなどと嬉しげに書かれた新聞記事を見て涙が出そうになりました。現場へ行けばすぐにも分かりますが、長年に渡り伐って売って残された巨木はあとわずかです。わずかだから益々値が上がり、伐りたい、買いたいという圧力にやられて山は裾野からバリカンを当てられ可哀相なものです。

 

世の中には悪いヤツがいるもので、神社の境内に立つ杉の古木にドリルで小さな孔を開け、毒液を注入し、やがて杉が葉を落とし始めたころ住職を訪ねて売買の相談を持ちかけるということを本当にやった人間がいます。現場を確認し写真を撮り神罰よ当たれと、、やがて悪事が発覚し犯人は村八分になったそうですが、境内の古木が生き返るわけでありません。貧しさゆえか飲んで打ってすってんてんになったからかは知りませんが悲しい話ではあります。

200610記

 

 

 

 

高知の今

 

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Japanese fiber banana 芭蕉200602

干からびていた芭蕉が立ち上がりました

沖縄では芭蕉の繊維で布を織ります

 

 

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芭蕉の根元で小さな花が盛りです200602