ひとり旅 240204 番外編4  アポロ計画  陰謀論  ひてん  かぐや  SLIM  H3号

 

 

 

 

 

そのむかし天頂衛星の熱関係を担当していたJAXAの女性職員と酒席でお会いしました。滅多にない機会なので野暮は承知で「アポロの月面着陸はウソだという説がありますけどどう思われます?」と問うてみました。彼女そんな疑問は抱いたことさえないという表情で「さあ、行ったんじゃないですかぁ」と戸惑いの笑顔をつくりました。思えばNASAと技術往来するJAXAの職員が「陰謀論」に加担したところで何の益もありません。ひょっと心の底にかすかな疑念があったにせよ、そこに論及することは仕事柄タブーとしたものでしょう。いや失礼なことを伺いましたと心の中で念じて別れましたが、正直ぼくは陰謀論 ⇒推論に与する側です。

 

 

月から見た地球  以下ネットの映像をカメラで撮ったもの

 

忘れもしない1969年の夏、バイトで畳表に使う藺草の刈り入れをしていた昼飯時に、わずかなタイムラグを挟み、ガーピーという雑音の中で、月面に降り立った宇宙飛行士と地球の管制の間で言葉のやりとりがありました。この映像は世界中で5億人ほどが見たらしく、ぼくもまたアメリカのやることはスッゲエと感動しました。

 

1961年,初めて宇宙に出た旧ソ連ガガーリン少佐は「地球は青かった」という簡潔かつ感動的なフレーズを残しました。一方アームストロング船長は着陸船の梯子をゆっくり下りて月を踏み「一人の人間には小さな一歩だが、人類にとっては大きな飛躍だ」と述べました。人類が初めて異世界に踏み込んだ衝撃をあらわすには、やや長く、理屈っぽく、事前に考えていた文句かなと思われます。

 

 

陰謀論」によるとこの

ランドローバーは大きすぎて

月着陸船には載せられないだろうとのことです

 

宇宙服に身を包み、真空中を歩くだけで充分な価値のある月探検において

幅と目方のある車をあえて月まで運ぶことに意味があるのだろうか

そもそも丸っこいタイヤで月の砂漠を駆け回ることができるのだろうか…等々

陰謀論」者の疑念は尽きません

 

 

一人は胸にカメラ(ビデオ?)をぶら下げていますが

昼間110℃、夜間は-170℃になる温度差に耐え

ちゃんとした映像が撮れるのだろうか、撮れたにせよ

下手なYouTuberによる目眩がするような

映像になりはせぬかと心配です

 

手前のクルーが背負う荷物の上部には時折

光を反射してキラリと光る線が見えます

コケて起き上がるときの重心移動に不自然さが感じられることから

背中の線が関係しているのではないかと「陰謀論」者は疑念を抱きもします

 

重力1/6の月面では

軽くジャンプするだけで三段跳びの選手になれますが

陰謀論」者がビデオの再生速度を早めたところ

地上の雰囲気になったという説もあります

 

鼻唄まじりに跳び回る月探検者はたのしげですが

故郷を遠く離れた月面から地球へ戻れるかどうか不安はないのだろうか

突然の太陽風に襲われ探査機に異常が発生することはないのだろうか

バンアレン帯を通過するとき健康異常を引き起こす心配はないのだろうか…等々

陰謀論」者の疑念は尽きません

 

 

離陸前の着陸船

 

 

ふわりと浮き上がった着陸船

 

1/6の重力はさておき

55年後の今でさえSLIMの着陸姿勢に問題があったと非難されるのに

生きた人間を載せた機械が降りて、浮いて、母船とドッキングして

ふたたび地球に舞い戻るなんてことができたのだろうかと

フツーの理科知識をもつヒトは考えますね

 

 

アポロ16号で月面のデカルト高地に降り立ち

飛び跳ねながら米国旗に敬礼するジョン・ヤング船長(1972年4月撮影)

 

着陸船を挟んで星条旗が(ゆれる)構図はプロのワザです

かくも見事な映像が生死の境にあるクルーに撮れるものでしょうか

 

では、お前はどう思うのか? と問われたならば

全世界から注視されたアポロ計画を誤魔化すことはできないので

宇宙船は地球の重力を振り切り、月周回軌道に乗ったであろうと

(中学生なみの理科知識で)思いますが、そこから先は

映画監督にお任せしたとしか…

 

月探査において必ずしもJAXAは負けていません

1966年、旧ソ連のルナ9号が世界初の月面着陸を果たし

1969年、アポロ11号が月面有人着陸を決行したあと

1990年、「ひてん」「はごろも」を月周回軌道に乗せ

2007年、「かぐや」がハイビジョンで月面を隈なく探査しました

2019年、中国の嫦娥4号が月の裏側に着陸

2023年、インドのチャンドラヤーン3号が月の南極に着陸

2024年、SLIMがピンポイントで着陸しました

 

メディアはSLIMの月面着陸が世界で5番目であることを強調しますが

着陸序列とは別に文化的・研究的な意味において日本は特殊な位置にいます

前号で述べた「帆立」と「亀」には漫画大国の遊び心が垣間見え

今次SLIMは石に光を照射して律儀に月の由来を調べ始めました

一方、上位4国は国威発揚を事として技術と月利権にこだわりがちです

 

2月15日にはH3ロケット2号が打ち上げられます

1号は惜しくも失敗しましたが、今回は

共同通信のクソ野郎を悔しがらせてくれと願います

2024.02.04記 つづく