ひとり旅 230710 四国所々➀ 生見サーフィンビーチ ホワイト国指定 日韓スワップ協定

 

 

 

 高知県東洋町生見海岸のサーファー   2023.07.02

 

ニュートンはリンゴが落ちるのを見て重力説を思い付いたそうですが、リンゴが落ちるのは当たり前のことだからフツーの生活人は食べることしか考えません。渚に波が立つのも当たり前のことだから波の原理なんて思いもしなかったのですが、ダイビングの教習本を読んでいるうちに目から鱗が落ちました。

 

波には寄せ波と引き波があり、引き波が底を這うのに対し、よせ波は上にかぶさる。すると上下で回転力が起こり、波がつくられ、風に蹴られて波頭が砕けるというワケなのでした。太平洋に向かって両手を広げた高知県には所々にサーファーを悦ばす砂浜があり善男善女が季節を問わず水鳥のごとく波間に漂っています。

 

高知の真んなか仁淀川河口では、冷たい川水が海へ流れ込み、沖から寄せる波とすれ違って盛り上がります。橋の上から眺める分には何ということもない風景ですが、サーファーにとっては絶好のサーフポイントなのだそうです。高知県西部にもサーファーの心を惑わす砂浜があり、近ごろ主を失った身内の家を行政経由で解放したところオーストラリアで波乗りしまくったご夫妻が本気で移住してきました。

 

プロサーファーは高さを求めますが、大波がつくられるためには風と海流と海底地形が折り合わねばならず、その条件をピタリと満たす場は多くないそうです。その滅多にないひとつがイベリア半島の西の端にあり、ポルトガルはナザレ海岸の大波に乗り何と26mの高さから駆け下りたプロサーファーがいます。世界記録26mは⇒階高3mとして9階建てのビルから飛び下りるようなものだから度胸があるというか、無謀というか、ばかというか、まあ好きなヒトがいるものです。

 

(カワサキが開発した)水上バイクに曳かれ巨大なうねりの頂点に達したサーファーは波の背に斜線を残し、遠目に見てもかなりの速度で降下しました。やがて砕ける白波に襲われ姿を消したところで、ぼくはダイビング初心者の教習本を思い出し、波の三角形に水没したサーファーはどうなるのか? 上も下もない世界で水に揉まれ位置を見失うのだろうか? 水圧はかかるのかどうなのか? 水中で何かにぶつかったら一巻の終わりかもとあれこれ想像しているうちに世界記録保持者はチューブの中から見事に脱出したのでした。ご興味の方はYouTubeをどうぞ^^

2023.07.10記 つづく

 

 

 

< 2023年の現在史 >

安倍晋三元総理が凶弾に倒れてはや1年。なぜかメディアは控えめな報道に終始していますが、日韓友好をうたう岸田内閣は7月21日から韓国を「ホワイト国」に再指定することになりました。西村康稔経産相は「韓国の輸出管理の体制、運用の状況、実効性などについて厳格な検証を行った」と6月2日の朝日新聞は書いています。

 

かつて「従軍」慰安婦の記事を恣意的に書いた朝日が、いよいよ段詰まって、あれはウソでしたと認めた2014年の夏以来、日韓がらみの政治記事には関心が失せ、たまに読んでも記事が触れなかったことは何だろうと裏読みするクセが付きました。

 

そもそも2015年の日韓外相会談で日本国は、認めるべきは認め、払うべきカネは払い、これで慰安婦問題は終わりにしましょうと岸田・ユン両外相は公開の席で手を打ったわけですが、その後の経緯は誰もが知るところです。当事者たる岸田外務大臣は悔しい思いをしたはずですが、今次また高い確率で同じことが繰り返されると思います。いきなり「すみません」と言う日本人と、反省したら命があぶない大陸接続国の住民が「最終的かつ不可逆的な解決」をしたからといって解決の意味が異なるのだから意味ないじゃんとも…

 

独島、慰安婦、徴用工、レーダー照射、直近では汚染水…と交渉材料は次から次へと創作され止むことがありません。対馬の仏像が盗まれた一件は韓国大田市の裁判所が担当しました。たまたま友人が大田市で弁護士をやっていることから「筋が通らない話だ。日本人の心に恨みを残す前にさっさと返した方がいいぜ」といった内容のメールを送りました。彼はそのメールを仲間に見せて回ったようですが、どこの馬の骨とも知れない日本人の意見など相手にされるわけもありません。

 

「ホワイト国」と同時に「日韓スワップ協定」も再開が決まりました。2013~14年に「(どうか)借りてくださいと(日本が)言うなら借りることもやぶさかではない」(中央日報)という韓国側のエラソーな態度を見て怒り心頭に達した麻生太郎財務相はテーブルを蹴りました。今次スワップ協定に関する麻生副総裁の談話はネットにも見当たりませんが、5月11日にユン大統領は麻生副総裁に「最近の改善の雰囲気を生かし、さらなる発展に関心を持ってほしい」(共同通信)と伝えたそうです。朝日っぽい共同の配信だから書けなかったことは何だろうとつい邪推してしまうのですが、盟友安倍晋三元総理の葬儀において心を打つ弔辞を読んだ麻生副総裁は今いったい何を考えているのでしょうか。

 

今次「ホワイト国再指定」「スワップ再開」の背後には対中国政策にからむバイデン大統領の思惑があったのかもしれません。政治は灰色の世界であり、感情を押し殺した利害のやりとりこそ政治の本質なのでしょうが、それしても日本国政治家の何と弱々しい態度よと情けなくなります。背筋を伸ばせ、大股で歩け…と悲しい思いで念じます。