ひとり旅 230924 日本所々(28)  核  原発  ウロ戦争

 

 

 

ナガサキ平和祈念公園  2020.08.30

 

G7広島サミット

岸田政権の支持率を一時的に高めたのはG7広島サミットの直後でした。持たぬ国の総理大臣が持つ国の人たちに「核兵器の廃絶」を訴えて何になる? のび太ジャイアンが対等に話せるものかと冷笑されましたが、かつてオバマ大統領も嫌がったヒロシマ平和資料館に英米仏のトップを誘導したことは大成功だったと言われます。資料館の展示は、理屈ではなく、感情に訴えるものだからです。

 

日本人はPeace の訳語として「平和」を造語しました。平和とは「争いや心配事がなく穏やかであること」を意味します。核兵器の廃絶を訴えた岸田首相の思考には、双方が武力をもたなければ平和が訪れるという仏教的な思想がありそうです。

 

一方「和平」は、和平を申し出るといった文脈で使われるように双方が武力をもつことを前提にした安定を言います。中国語に「和平」はあっても「平和」がないのは(あえて言えば麻雀用語にピンフがありますけども^^) いつ異民族に襲われるか分からない大陸では敵に武器を捨ててもらうなどという考えは思い浮かばないからでしょう。

 

核戦争

ヒロシマナガサキの死者数を1発10万人とすれば10発100万人、100発1000万人、1000発打っても1億人に過ぎず中国にはまだ13億人も残る。今の世界人口は80億人、2050年に97億、2086年に104億人でピークを迎えるそうだから核を10,000発撃っても地球にはまだヒトが溢れている…とまあむちゃくちゃな計算もできます。

 

敵を倒すには1発の弾丸があればよいのですが、独裁者の脳裏にふとした着想が生まれると億の人口が巻き添えになります。2023年現在、米ロ合わせて1万発を越える核爆弾が存在するそうですが、人間活動を無茶苦茶にするのが目的であれば800発もあれば充分だという説もあります。にもかかわらず中国は核爆弾の増産を急ぎ、北朝鮮は核付きミサイルをアメリカ合衆国まで運ぶ能力開発にやっきです。

 

ヒトは生きる欲望をもちますが

ムレには人口抑止本能が

埋め込まれているのかも知れません

 

もしも東京湾に原爆を沈めたあと北の使いが「お話しませんか」と打診してきたら日本政府はどうする? と問うたヒトがいます。本物から偽物かは分かりませんが、金正恩が水爆の前で満面の笑みをたたえた写真が公開されてもいます。

 

以前ソウルで韓国人研究者とお会いし、飲食店の一室でお話を伺ったことがあります。北朝鮮の核脅威について問うたとき”人口2500万人(水増し説あり)を擁する国家経営者が子どもじみた判断をするわけがない”との結論を導きました。なるほど日々の幸福を願う庶民と重圧を背負った為政者の国家観とは別物だろうなと思いはしたものの、そもそも日本と北朝鮮では国の成り立ちが違うのだからヒトの考え方も違うはず、有史以来海に守られ独自の歴史を培ってきた日本列島と絶え間なく大陸を意識せねばならなかった朝鮮半島の民は、似たような顔をしていても心の中は違います。▼極貧層比率世界16位の北朝鮮が、先進国も成し得ない技術力、攻撃力をいかにして持ち得たか、ちょっと考えれば分かることです。知らないフリをしているのは特殊な考え方をする与野党議員およびニュースに方向性をもたせるメディアくらいのものでしょう。

 

原子炉

ロケットを撃ちまくる北朝鮮が、ふとしたことで日本と全面戦争になったと仮定します。核時代の戦争は死ぬ覚悟を決めた方が強いので、少ない武力で効率よく日本破壊をもくろむなら日本海に並ぶ原子炉を狙えばよいのです。成功すれば日本文明の崩壊とともに自国の破滅はまぬがれませんが、それでもよいというのであれば理論的には可能です。あの国のヒトたちと一緒に地獄の一丁目をさまよいたい日本人はいないでしょうけれど…

 

ザポリージャ原発

とはいえ戦争にもルールがあるわけで、まさか原発には手を出さないだろうと思っていましたが、ウクライナザポリージャ原発にはミサイル (砲撃?) が打ち込まれ(2023年3月)、冷却水を湛えるドニエプル川のダム破壊(2023年6月)さえ行われました。その後の報道を見るかぎり必ずしも本気で原子炉破壊を狙ったとは思われませんが、6基の原子炉が暴走すれば欧州全域が被曝することは、同じドニエプル川上流のチェルノブイリ原発事故(1986年)が実証しています。冷却水を失った原子炉がどうなるかはフクシマ(2011年)の経験からぼくら日本人がよく知っています。世界には400基を超える原発があり、原子炉をもつ国は自爆装置を抱えているようなものです。

 

威嚇

その後プーチン大統領は核使用をほのめかし

既に隣国ベラルーシへ核爆弾の移転を完了したとも伝えられます

もしもプーチンが核を撃ちNATOが核で反撃し

両者がエスカレートすればこの世はどうなるのだろう

 

ヒロシマの街をバイクで横断したことがあります

信号待ちで走っちゃ止まり走っちゃ止まりしていると

さすが政令指定都市は広い高知市の比じゃないと思いました

ナガサキ中核市ですが人口40万人を超えます

こんな街が一瞬で消えただなんてピンと来ません

 

追い詰められた独裁者の脳裏に浮かぶものは何だろう

国家の存続か? それとも自己保存か? 思いますに

民主国、専制国を問わず最終決定は少数ないし個人が決めるわけで

微妙な判断のベースは独裁者の生い立ち、読書傾向、友人関係...を含む

文学、心理学の領域に立ち入るのかも知れません ふとした拍子に

幼少期の暗い経験が鎌首をもたげると恐ろしいことになります

2023.09.24記 つづく