海事つれづれ五目めし200326  横波桜丸初出航

 

 

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須崎市浦ノ内の山桜200322

東京都が封鎖されようかという日に花見などしている場合かとお叱りを受けそうな気もしますが、かといってぼく個人にはどうすることもできず、刻々と伝えられる世界のコロナ禍に対し我が国会に於いて真っ当な論戦が展開されんことを祈るばかりです。

 

 

 

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桜には無数の種類があり余程の専門家でなければ一目で名を言える人はいないでしょう。ぼくはソメイヨシノvs山桜という単純な2分法で、白い花が雪のように積もるのが染井吉野、葉の新芽とともに咲くのが山桜と決めています。山桜には、葉の色ひとつ取っても赤あり緑あり、早咲き遅咲き、八重桜に枝垂れ桜と様々です。

 

パッと咲いてパッと散る桜は、能や歌舞伎の格好の舞台装置であり、そこに生れた無常観がやがて軍国主義に転用され、生と死を分かつ「同期の桜」として歌われもしました。昭和46年に高校を卒業し埼玉県は浦和市の読売新聞配達所、株式会社ユースに就職したぼくは、男所帯の酒の場で飲んで騒いだものですが、ひとしきり春歌が回ると締めは「同期の桜」の替え歌なのでした。北は北海道、南は沖縄からやってきた有象無象どもが肩を組み「貴様とオレとはユースの桜」だなんて大声で歌って隣近所に迷惑をかけたものです。あの替え歌は思い出しても恥ずかしいのですが19の歳に覚えた文句は忘れようがありません。

 

 

 

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ゴムボートは膨らませて浮かべるから近ごろはインフレータブルボートとも呼びます。だらしなく寝そべったゴムの袋にパイプを差し込み、足の裏で鞴を踏んづけること400回、ダレて勘弁してくれんかなと思い始めたころふにゃふにゃのゴムはインフレを起こしてピンと立ち上がります。お金を出せば電動ポンプも売っていますが値が張るし荷物は増やしたくないしで当面は人力注入でやる他ありません。左右の足を何度も入れ換え、えっさほっさとやっているうちにふと車の排気ガスを使ってはどうかというアイデアが浮かんだので後日やってみます。煙が逆流して窒息死するかも~~!

 

 

 

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船外機としては最小型のHONDA空冷式2馬力エンジンは片手で持ち運べます。ボートの長さが3m未満で出力が2馬力以下のエンジンなら船舶免許は要りませんが、ゴムボートの宿命で水の抵抗が大きく、非力なエンジンではオールで漕ぐよりマシかなという程度です。若者が太い腕で漕ぎまくる競技用カヤックにはとてもかないません。

 

向かいのボートにはYAMAHA水冷式175馬力の船外機が舟よ傾けとばかりに搭載されています。オレのエンジン86台分のパワーで走ると船首が浮き、もう一段出力を上げたらバック転しそうな勢いでぶっ飛びます。それほど急がなくてもと思うのですが、海でも陸でもスピードには人を酔わせる何かがあるようです。

 

 

 

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赤い躑躅アケボノツツジだろうと思いますが、よく見かける紫の躑躅の名前はわかりません。桜と同じく躑躅にもやたらと種類があり分類の罠に掛かったら大変なことになるのでツツジツツジでええじゃんかというのがぼく式分類法です。

 

初めて自分の手で操船し海側から見た春の森は、車から見る道路脇の風景とどこか違いますね。ダイビングの途中で水面から見上げたり、フェリーのデッキから遠望する風景とも違います。この写真を撮った日からはや3日がすぎて今日は3月25日です。三日見ぬ間の桜と躑躅がどうなっているか、天気の関係で今日が最後のチャンスになりそうだから今から出かけます。サボった後の仕事は夜中までかかりますが、野菜市場は24時間開いているので便利です。

 

 

 

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細い水路で太平洋とつながる浦ノ内の入り江に日本庭園の池亭を思わせる屋敷がありました。調べたわけではありませんが、おそらくは日本経済が絶頂期のころ何かで儲けたお大尽が、小島を石垣で囲い、寄棟の屋根で東屋をこさえたのでしょう。今となっては次の台風でどうなるか分からない廃屋ですが、石組みは立派に残されています。

 

 

 

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ぼくの父は農閑期の石工だったから石垣を見るたびに講釈を聞かされたものです。要約すれば築石は隙間がないことをもって美とするらしく、もしも父がカミソリも入らないという天空の都市マチュピチュの石組みを見たとすれば、職人の目で講釈するのだろうか、それとも

恐れ入って沈黙したかと亡父を思い出しあれこれ空想したことでした。

 

しかし石の隙間は生きものの棲家でもあるわけで、この石組みは人工と自然がほどほどに調和した形と言ってよいのでしょう。コンクリートをペタ~っと張ったら面白いことは何もありません。それにしても海の真ん中によくぞこのような家を、、、石組み左面の対角線は石段になっており中央部に出っ張りがあります。

 

 

 

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この石は何だろうと思ったらもやいの為の出っ張りでした。近ごろ覚えたもやい結びでボートをもやい、足を濡らさぬよう用心して上陸すると今しも崩れそうな廃屋が荒れるに任せて残存しているのでした。都の粋人は池に小舟を浮かべて客人をもてなしたわけですが、ここは天然自然の入り江であり、舐めれば塩っぱい海の東屋です。主人は畳に障子の私設料亭に人を呼び、飲めや歌えの宴会を催したに違いありません。つわものどもが夢の跡でした。

 

 

 

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アケボノツツジと山桜200322

 

敷島のやまとごころを人問はば朝日に匂ふ山桜ばな

と詠んだ本居宣長は無類の桜好きで、オレの墓には枝振りのよい山桜を植えよと生前から指示しています。大和心→大和魂と言えば歯を食いしばった「同期の桜」を連想しますが、江戸中期の国学者である本居宣長は、漢意(からごころ)に対する大和心を提唱しただけのこと、軍国主義などあるわけもなく、桜にも宣長にも戦争責任はありません。仕事を終えれば二階の書斎に上がり、梯子を外して家人から逃れ、ひたすら国学を追求した宣長は、日本文化の象徴として朝日に映える山桜を讃えたわけです。

 

ところが幕末に黒船が来襲し、アジアの国々が軒並み植民地化されるのを見た日本は、軍事国家を選択し、日清日露と大勝した後、アジア太平洋戦争において自爆テロの源流とも言える特攻隊を考案しました。考案者の大西瀧治郎宣長の桜讃歌を軍事転用し「敷島隊」「大和隊」「朝日隊」「山桜隊」を発進させたのは、芝居の舞台が現実と結ばれたようにも見えます。儚さの象徴ともいえる桜が荒々しい軍事と重ねられて矛盾がないのは、いかにも日本的な感性によるものでしょう。

 

 

 

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「特攻前日の航空兵」万世特攻平和祈念館にて180721

 

鹿児島県の「知覧特攻平和会館」「万世特攻平和祈念会館」には、国家が滅びに至った理由ではなく、特定の座標に乗せた説明でもなく、ただそこで行われた事実が置かれています。若い兵士は信念をもって特攻機に乗ったのか、逃げようもなく乗せられたのか、それは国のためであったのか、故郷のため、家族のため、もはや逢うことのない恋人のためであったのか、あるいは時代の成り行きにすぎなかったのか、俄かに判断はできません。その行為を特定の思想ないし吹き込まれた思想で解釈し得々と言葉に直す人は少なくともこの平和祈念館にはいませんでした。生が死と直結した空間に置かれると人は言葉を失うようです、、、ゴムボートに乗ってとんでもない所までやって来ました。

200326記

 

 

 

 

 

海事つれづれ五目めし 200322

 

 

 

 

 

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土佐市波介山展望所より横波半島を望む190507

 

土佐の高知は、太平洋に向けて室戸岬足摺岬が両手を広げ、地震津波もどうぞいらっしゃいという至って開放的な地形です。しかし自分は大きな地震は経験がないし津波も知識でしか知らないので、南海トラフが崩れたら早い所で数分後、場所によっては40mを超える大津波が寄せてくるなどと言われても現実感がありません。さすがに3.11後は、車で海沿いを走るときなど目の前の風景が揺れ、海が盛り上がってきたらどこへ逃げようか、トンネルの天井が崩れたらどうしようと恐怖を覚えたものですが、それも今となっては体の反応が鈍くなりました。

 

 

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春野町甲殿の津波避難所より太平洋を望む190317

 

2011年の夏、宮城県は女川町を訪ねたとき「祖父は海に出て戻らなかった」という人の話を聞きました。水が攻めてくる現場を目撃した女性から「数秒の差が命の別れ目です」と言われると文字で読むこととは違うリアリティがあります。津波の映像はYouTubeで繰り返し見、漁船に揺られて波間を走ったことは何度もあるので女性の訴えはよく分かる感覚でしたが、いつしか怖さは薄れ、今では海を見て風を読み、車からゴムボートを引っ張りだして沖に出ることしか考えなくなりました。

 

 

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四万十町志和 釣り客を乗せた遊魚船が戻ってきた200223

 

ヒトは忘れっぽいのか、忘れることはいけないことなのか、しかし忘れなければ記憶が積もって処理できず先に進めないではないか、むしろヒトが忘れる力を持つことの評価も大切ではないかとまあ得手勝手に考えるのはゴムボートと目先の快楽に引きずられてのことでしょう。それではいかんぞという警告のためか日本代表の卓球選手のユニフォームにはwasurenaiと書かれています。

 

 

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中土佐町押岡の渚200223

 

バスでどやどやっとやってくる観光客は桂浜か足摺へ行けばよいので、自然が好き、海が好き、見る目もあるという特別な客人を秘かにお連れしたい場が探せばまだ高知にはあります。この渚もそのひとつなのですが、惜しむらくは風情のないテトラポットが目前にデンと鎮座ましますことで、これ何とかしてくれんかなと思うわけです。台風で波頭が砕ける日にタイムマシンで葛飾北斎を連れてきたら果して「神奈川沖波裏」第二弾のインスピレーションが湧くかどうか、、完璧主義者の黒沢明なら撮影の邪魔になるので退けてくれと言うかもしれません。とはいえこの消波ブロックは渚の砂を守るためにありゴムボートの出航地探しにやってきた自分が文句を言ってはいかんのですけども、、

 

 

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中土佐町押岡の渚より海を望む200223

 

カメラはバカだから入ってきた光を全部定着させますが、ヒトの目は優秀で、脳内フォトショップのアプリを立ち上げマウスをこしこしすれば、見たくないものは見ない、見たいものしか見ないという離れ業をやってのけます。場末の飲み屋街を昼間に歩くのは興ざめなものですが、これまた脳内処理し夜の光に変換すれば別世界です。

 

 

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高知市千松公園200220

 

昨年12月ダイヤモンド・プリンセス号は高知の外洋港に停泊しました。乗客の相当数がバスに分乗し高知城で下車したりイオン高知に囲われたりしたかと思われます。大枚はたいてこの世の見納めを夢見た高齢者もいたはずですが残念ながらあのようなことになりました。日本政府はイギリス船籍のDP号を追い返すことだって出来たはずですが、高知県でいえば馬路村の3倍もの人口を乗せた船を善意で着岸させ、重傷感染者には高度医療の場を提供したはずであり、そのことにより得べかりし医療を受けられなかった日本人患者もいたことでしょう。コロナウィルスによって医療崩壊という新造語を目にし奇異な思いに囚われています。

 

 

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高知新港に停泊したダイヤモンド・プリンセス号190406

 

そのDP号に潜入し録画しネットに拡散させた神戸大学岩田健太郎教授の行動に共感する友人からメールが届きました。あれはインパール作戦と同じだと断罪する岩田氏の記述を精読しましたが、どうにも納得できないので次回自分なりの解釈を掲示します。

200322記

 

 

 

海事つれづれ五目めし 200320 

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200308 下ろしたてのゴムボートで試験運転

 

アメリカが「全渡航の中止を求める勧告」を出しました。

メルケルは「第二次世界大戦以来の危機」訴えています。

なぜかChinaはえらそうに振る舞い、

わが国会は阿呆みたいな質疑を延々とやっています。

暗い世の中になりましたが、

遊ばなければ経済もパッとしないわけで、

韓国とアメリカは10万円/人

日本は12000円/人^^!

カネをやるから飲み食いせよと、

何が何やら分からん世の中です。

 

さて「アルバイトをして買った小舟で大物釣りして一人用テントに泊まったよ」シリーズ

https://www.youtube.com/watch?v=iAXXz5jJSSo

を検索するとYouTubeにきれいな風景があらわれます。

瀬戸内だろうか伊勢志摩だろかとあれこれ想像していましたら

なんとウチの裏山を下りた渚なのでした。

その渚に簡易温泉を作り

キスゴを釣るような竿でブリを揚げています

このふざけた野郎は、

おれが退職したらこんなことしたいなと思っていたことを

全部やっているのでした。

 

そこでこの若造に対抗してゴムボートをという次第です。

大西洋でサバを釣って40年ほど経ちました。

リール磨いてお待ちくだされ。

200320助村

 

 

以上はアフリカ滞在歴が長い友人に宛てたメールです。

退職後の10年間は竿を握らないと決めていましたが、

おらんくの裏でたのしく遊ばれた日には黙っておれず、

えいやの勢いで4人乗りゴムボートと

2馬力の船外機を買ってしまいました。

 

東京の某編集長から「かれこれblogで182日、diaryで91日更新が止まっています」とのメールが届きました。せっかく作ってもらったdiaryをそのままにして置くのも申し訳ないし今年は海外旅行という雰囲気でもありません。コロナ禍に怯えながら忙しく立ち働いている人には申し訳ないような気もしますが、おれだって日に半人前は働いているし大西洋で一緒にサバを釣った友人もせっせとお仕事しているわけで小舟に赤い旗立てて沖へ出たからと言って後ろ指差されることもなかろうと、考えていたところへたった今

 

*「大阪府兵庫県の間の不要不急の往来を自粛する」とのニュースが入りました。世界は昨日までのグローバリズムから鎖国化へハンドルを切ったわけですが、更に国内に関所が設けられるとなると辛い。コロナウィルス失せよかしと願いつつ勝手ながら某編集長のメールを無許可で一部引用させてもらいます。

 

「通勤電車に充満するピリピリした空気は日増しに酷くなる一方ですが、先日、電車でゴホゴホ咳き込んでる若者がいたので、こりゃやべぇとこっそり見てみましたら彼のマスクにでっかくマジックで”花粉症”と書いてあって笑いました。なんとか周りの憎悪とか警戒心を回避せねばと彼なりに必死に考えた結果なのでしょう。乗り合わせた他の人達もついフッと緊張が抜ける感じがあり、しばしほっこりした気分になりました。」

 

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ゴムボートの出航地を探して名鹿の浜へ

 

某編集長にもらったテーマは「熱」です。プロの手による完璧な作品が必ずしも大衆の心を打つわけではなく、むしろ熱だけで勝負する素人映像がプロ社会を侵食する時代のようでもあります。ふざけた野郎のYouTubeには100万ヒットを得たものもあり、そもそも映像の門外漢が自分で放送局を持ち、4k動画を配信し、外国語の書き込みまでゲットするだなんてついこの間まで想像もできなかったことです。冷たい顔の美人より表情豊かな女性の方が幸せ度は高いとしたもの。写真は腐るほどあることだし、忘れかけたパソコン操作を思い出しながらその都度進行形でアップします。

200320記

Korea点描 リアルタイム編⑥

放射線

昨日の中央日報日本語版「韓国環境部、日本産石炭がら放射能初めて全数調査…測定機の数値が倍に跳ね上がる」の記事にはさすがにムカッとしたので一筆。

『簡易測定機で石炭から表面の放射線量を測定した。数値が1時間当り0.23マイクロシーベルト放射線測定単位)まで高まった。石炭がらと落ちたところで測定した背景濃度数値(0.11~0.14マイクロシーベルト/h)よりも倍近くになった。原州環境庁担当者は、管理基準である0.3マイクロシーベルト/hより低く、輸入には問題がない水準」と説明した 』(190903中央日報日本語版)

「数値が倍に跳ね上がる」という素人相手の煽情記事は韓国紙の得意とするところですが、倍に跳ね上がっても0.23マイクロシーベルトだからどうということのない数値です。管理基準が「0.3マイクロシーベルト/h」とあるので、韓国では0.3あたりが緑ゾーンと黄ゾーンの境なのでしょう→するとぼくがロシア製の簡易線量器で計測した旧ソウル駅構内の最大値は0.3マイクロシーベルト/hだったので巷間言われるようにソウルもヤバイんちゃうとまあ思ってしまうワケです。

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190822 旧ソウル駅 花崗岩の列柱が美しい入口ホール

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190822 ホールの柱の下に直接置いた線量計

ソウル駅周辺に線量計を置いたところ、すべて0.2以上を示し、それは0.1強が普通の西日本では見たことのない数値だったのでオヤけっこう高いじゃんと思いました。ちなみに花崗岩質の四国は数値が高めに出ると言われ、高知の拙宅に置いたロシア製の線量計0.08~0.17を行ったり来たりしています。ロシア人が設定した三色分けではもちろん緑ゾーンの安全圏です。(あくまでγ線しか測れない簡易線量計なので数値は大雑把なものでしょう)
 
同記事には以下のカキコがありました。このヒトもムカついた一人なのでしょう。
 
『そもそも石炭を検査すれば元々放射性物質は含まれてます(含有している)。例えばK-40、Th232、U-238は自然に含有しています。K-40(放射性カリウム)自体は人間誰もが5000ベクレル程度体内に持っている。放射性物質と一括りでは無く、Cs-134、137の検出結果を示すべき。常識なさすぎる。』(twitter blackholes 2019-09-03 08:37:56)
 
 ついでに言えばブラジルのガラパリは自然放射線量が世界一高いことで有名です。その年間被曝量10ミリシーベルト/年を365日+24時間で割ると1.14マイクロシーベルト/hとなり、ぼくの線量計では文句なしの黄ゾーンに入りますが、いくら調べてもガラパリ市民に健康被害はないそうだから人間って案外丈夫なのかもしれませんね。マイクロシーベルトの1000倍がミリ、その1000倍がシーベルトです。この単位で放射性物質に抱きついたら確実にあの世行きですが、マイクロ単位の低レベル放射線量に閾値はあるかないかというのは議論の残るところだそうで、まあ飛行機に乗るだけで誰もがそれなりに被曝するわけだし、生物の進化には放射線も一役買っている説だってあるしで、石炭灰の放射線量をもっともらしく記事化するのは、どう考えても「ホワイト国」後の嫌味としか思えません。
 
 かの国があの手この手でしつこく嫌がらせをするのはなぜか、近年のネット記事を追いかけているとほぼ分析は終わっているように思われますが、ぼくなりの結論を求め、本年3月に出版された松本厚治著「韓国反日主義の起源」(草思社を二読三読し、その論旨に共感しつつ唸りました。出版されて間もないこともあり、また定価が4500円とお高いこともあってか、今のところカキコ氏が引用したものを見たことはありません。本書ではイアンフにもチョウヨウコウにも触れられていませんが、反日イデオロギーの原理を見事な筆で説明しており、引用文献の一覧を見るだけで凡百の嫌韓本が冷めて見えるほどです。が、悲しいことに論述の最後まで明るい光が見えず、かくも陰気な結論を導くために著者は後半人生の相当時間を割いたのかと思えば気の毒な気さえします。圧倒的な物量をもって論考した鋼のような事実factを前に韓国人は何を考えるのだろうか。いやおそらく何も考えないだろう。そもそも読まないし翻訳されないだろう。仮に翻訳されても不都合な事実は改竄されるだろうと失礼ながら経験的に思い当たるフシがあり、本書は自分の鏡でもあったから、何だかなぁとぼやきながらのソウルひとり旅でした。

 
追記

通常、線量計生殖器の位置を想定して地上1メートルの高さに置かれます。土から離せば線量は低くなりますが、足の裏はいつも大地に触れており、地べたに腰を下ろせばお尻に当たる線量は増えるわけだから、ぼくは線量計を土の上に置くことにしています。以下、地べた接触方式でフクシマを回ったときの記録を添付します。通常の測定値より高めに出ます。ご参考までに。

 
190903記
 

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161002 福島県飯館村と山木屋の中間点

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161002 福島県長泥地区除染済地帯(一般車侵入禁止地域の手前)

森の中の除染とは、道路脇20メートルの範囲で下草を刈り、巨大なフレコンに包んで田んぼの仮置き場に集積することでした。

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161002 フクイチ近くの国道を走る車の中で線量計が赤ゾーンに入った

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161002 国道脇フクイチへの進入路

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161002 コンクリート上に置いた線量計が19まで上がった

 

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Korea点描 リアルタイム編⑤

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→190823ネット記事から転用

 

8月23日に起こったソウル弘大での日本人暴行事件がネット上で議論を呼んでいます。地べたで両足を開いた女性の股に男の左足が差し込まれた見事なショットで、たまたまとは言え、あの瞬間をこのアングルで捉えた写真ワザに敬服します。

男は「暴行したことはない」と容疑を否認し、映像は「捏造されたもの」と主張したとか。今どきの都会ではあらゆる場面を監視カメラが捉えているから、嘘をついてもすぐ見破られるはずですが、にも拘らず否定と曲解の言葉で自己弁護するのは、認めたら負けという半島文化に由来するものでしょう。これが日本なら、分かりきった嘘をつくより正直に吐いた方が警察ウケは良いはずです。嘘はつくな。約束は守れとする日本の神と、嘘と約束を違う次元で解釈する韓国の神がネット諸子を困惑させています。両国文化を比較する上で興味津々の事件でした。


190827記

 

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Korea点描 リアルタイム編④

かつて新聞テレビは公平公正を旨とし読者視聴者に判断材料を与えてくれるなどとマジに思ってましたが、実はメディアはそれぞれの社是に従って情報を加工するから書かれたことより書かれなかったことの方が大切で、さてこの紙は何を隠しているのだろうとヒネた目でものを見る癖がつきました。

だからといって自分の足で歩いても目に入るのは森羅万象の一点に過ぎません。事実はひとつと言われますが本当は解釈する人の数だけ事実があり、事実の集積たる歴史もまた座標の数だけ存在する、、とまあ理屈っぽいことを考えているうちに韓国の友人が遠路ソウルまで訪ねてきてくれたので飲み屋を探す道がてら日本の商品を扱うお店を覗きました。

日本製文具はKoreaの若者に人気です。そのむかしKoreaのお嬢さんに極細ボールペンをお土産にしたところ、さすが女子高生で「これほど細い線が引けるのは日本製だけ」だと知っていました。日本製品が優秀であることとたまたま日本に生まれたぼくとは何の関係もありませんが、所属する共同体が褒められると妙に嬉しいものです。その日本製文具が反日意識を拡散させる格好のターゲットになったのだろうか、どうなんだろ、ともあれ立ち寄った文具屋の日本製品は全部撤去されていたようです。

噂のUNIQLOは一応明かりが付いてましたが、客だか店員だか分からない人の姿がまばらでした。Canon  Nikon 他のカメラを一杯並べた中古屋にも客の姿は見えず店員はやる気がなさそうでした。可哀想なのは日本料理屋で二階の窓に客の影法師がひとつ揺れるだけ、別のお店を覗いても客の姿は見えなかったです。中華料理屋でビールを頼んだら地元ビールが出てきました。普段はアサヒもあるそうですが、、

 

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→190821大田駅前広場にて

「安倍糾弾大田市民」「独立運動はできなくても不買運動はできる」とする巨大な横断幕が駅前に置かれ善男善女はその脇を歩いて通勤する。おそらくこの横断幕は全国津々浦々で揺れておりメディアは反日で持ちきりだからUNIQLOが一部撤退したことも分かる気がします。

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 →190821ソウル市日本大使館前の水曜デモ。 カメラの砲列に混じって撮った絵だから写る気満々の人たちかと、とりたてて肖像権というものに拘る人はいないでしょう。

イアンフという悲劇の神話に包まれた像とそれをとりまく人間の関係はもはや宗教の領域にあるようにさえ見えます。政治と宗教は語るなというのが旅行者の鉄則で、それが日本人に関係のないところで行われるマツリゴトであれば迂闊に言葉を置くことは憚られますが、なんといってもこの像は事実関係を曖昧にしたまま日本人を侮蔑する象徴でもあるわけだから、それなりに物思う私も一言申し上げたく、

韓国人得意の横断幕が揺れ、マイクの声に唱和して怒声三発、シュプレヒコールが投射される向かいのビルには、警備の警察いわく「7階だか8階だかに」日本大使館があります。いわゆる「水曜デモ」は1992年から続けられているそうだから息が長く、かつては若かった参加者も高齢化したのか年配の方が殆どでした。

後方の横断幕やプラカードには「強制侵略糾弾」「強制徴用謝罪せよ」「独立」「安倍野郎」等の文字が揺れます。興味深いのが「安倍NO日本NO」の文言で、安倍政権と日本国を同時に批判するわけですが、アベはさておき「日本NO」として日本国民の総てが否定されると戦後生れのオレたちもいけないことになり、韓流ファンの皆様さえ巻き添えを喰うわけで、それはやりすぎだという反省から「日本NO」は外され、今は「安倍NO」が一般的ですが、ここではまだ生きてました。
 
思いますにそれは、日本軍はノーだが日本人はむしろ軍部に支配された犠牲者だとするChina発の智恵ではないでしょうか。あるいはナチスはいけないが戦争に駆り出された国民はむしろ犠牲者だとするドイツ式の「ツートラック」ではないでしょうか。軍と国民を一括りにしてしまうと後々問題が残ることから、あえて両者を分離した戦後処理の智恵ではないかと思うわけです。
 
 
190826記
 

 

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Korea点描 リアルタイム編③

仁川空港でSIMカードを差し替えれば問題なくネットが使えると信じていました。台湾では何の問題もなかったから韓国でもと予断した自分がばかで擦った揉んだの末SIMカードは諦め、たまたま近くにお店があったWi-Fiルーターを借りました。

 
SIMカードは5日間2700円ほどですが、ルーターは日に300円→1500円で済みました。ただし10万ウォン→1万円の信用保証をクレジットカードで取られたのでカード恐怖症のぼくはなんだか不安です。ホテル予約もカード決済だからフロントで顔を合わせた段階でお金は支払われています。問題はまじめに決済してよねってことですけど、心配症なんでしょうか^^ 

 
韓国はだいぶ前からカード社会です。行政が国民の幸せを願って頑張ったとも考えられますが、消費を促し経済の活力源にしようと目論んだ説の方が正しいような^^;  いい気になって酷い目にあった人も多いんじゃないかな。

 
さて仁川空港はべらぼうに広いです。予約したホテルをGoogle mapで見ると空港のすぐ近くだから歩いて行こうとしましたが、実はとんでもない距離だということがわかりタクシーを呼びました。おまえは日本人かと訊くから、そうだと応えて会話は終わり。握りしめたスマホGoogle mapを見ていると初めは予定通りの道を走っていましたが、途中で大きく迂回しました。

 
Googleが間違っているのか、自分の入力ミスかと疑いましたが、どうやら後ろの客がGoogle mapを開いているとは知らない運転手が意図的に遠回りしたようです。それでもちゃんとメーターを傾けていたから12000ウォンのところを20000ウォン払ってお釣りを貰おうとしたら一枚足りません。

 
おかしいんじゃねって態度で示すと指で挟んだ1000ウォン札を渋々出しました。別れ際にmapを見せて遠回りしたことを指摘すると大声で何か喋りはじめてご立腹でした。正論で弱点を突かれると論点をずらしたり怒りを爆発させたりするのは、運転手に限らず、誰の心にもある反応のメカニズムです。しかし、

 
そのむかし早稲田大学は土木の教授が講演で「三師三方」なる四字熟語を教えてくれました。「土方馬方舟方、山師詐欺師教師」というのがその答え!そうか馬方とオレらは仲間じゃんて、落語ならお後がよろしいようでってことになりますチョン!(↩︎これ拍子木よ、ややこしいことまで斷らんといかんの世の中になったものです)

 
ちなみにKoreanの名誉のために付け加えておくと、その程度のことは台湾でもあったしタイでもラオスでもたぶん日本でも、どこでもある話です。運転手さんも暮らしが楽じゃないってことの証しでしょう。

 

190822記

 

 

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