海事つれづれ五目めし200707 渚の原子力7 霧島から上野原遺跡へ(中)

 

 

 

 

 

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ネットで見付けたカルデラの列(問題があれば直ちに削除します)

 

火のクニ熊本、阿蘇カルデラの南には、図のごとく加久藤・小林カルデラ姶良カルデラ、阿多カルデラ、鬼界カルデラと火山の噴火口とは桁違いのカルデラが連なります。両手で九州を押さえ親指に力を入れたらとパキンと折れてしまいそうなほど見事に並んだカルデラ=鍋底の列です。

 

 

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錦江湾北側にある酢の製造所から見た桜島 180723

 

何も知らずに眺めたら小ぶりの富士が遠景をつくる綺麗な海だくらいに思って通りすぎるところですが、この丸い入り江は海域カルデラ=巨大噴火口なのです。地下に溜まった膨大なマグマが一挙に噴出し、空っぽになったところで大地が沈み、スキヤキ鍋みたいな地形に海水が流入して湾になった! 年がら年中噴火を繰り返す桜島は外輪山の一部に過ぎないというから壮大な地球物語ではあります。

 

その姶良カルデラは、29,000年前に大噴火し、火山灰は遠くわが高知県宿毛市に何と20mも降り積もり、圧縮されて2mの地層を形成しました。宿毛桜島北部が火山灰でつながっているとは俄かに信じられないことですが、火山灰にも個性があり見る人が見れば分かるのだそうです。

 

その地層が確認された場所はどこかと探し回った挙げ句、宿毛市錦西谷川河口であることを突き止めました。ひょっと工事跡の崖などに地層が露頭しているのではないかと期待しましたが、ボーリング調査の結果というから目で見ることはできないかもしれません。帰省時に訪ねてみます。

 

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桜島から見た鹿児島市180723

 

元はといえばプレートの沈み込みがマグマ生み、

カルデラが大暴れした跡に美しい風景を残してくれました。

以下は、その風景の中の人間模様です。

 

天が落ちたらどうしようと心配したChina人が杞憂という熟語を生みました。では地が落ちたら何なのか、残念ながらJapanの先人が大地陥没を説明する熟語を編み出したという話はないようです。ともあれ3.11以来ぼくら日本人は短い人生の中でも天変地異が起こることを知りました。

 

 

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展望所から見上げた桜島 180723

 

天は落ちないけれど砲弾が落ちることはあり、坂本龍馬が神戸海軍操錬所の塾頭として4年の人生を残した1863年、薩英戦争が勃発し「生麦事件の報復として、イギリス艦隊7隻が錦江湾に現れ、事件の実行犯の処罰と賠償金を要求しました。薩摩藩がこれを拒否したために、(イギリス艦隊は)薩摩藩船3隻を捕獲し焼き払い、薩摩藩砲台と砲撃戦を展開し ~ これをきっかけに『敵に勝つには敵から学べ』とイギリス留学生を派遣する契機となりました」と、美しい錦江湾を見渡す案内板にあります。

 

 

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谷の切れ方がフツーじゃない桜島 180723

 

ぼくらはいま残された文書というタイムマシンに乗って過去を振り返っています。後出しジャンケンみたいに余裕を持って、錦江湾で展開された薩摩対英戦を鳥瞰しているわけですが、歴史の節々でちょっとしたボタンの掛け違いがあったら日本は文化の根底から姿を変えたはずです。日清戦争で負けていたら、日露戦争で負けていれば、タラレバでつなぐ歴史こそ歴史家の想像力を掻き立てるはずなのに、歴史にifはないなどと嘯いて事象の細部に逃げこんではいかん。歴史家よ! 人格を賭してあるべき国の姿をオレらにも分かる言葉で語れと、まあぼくなど思うわけですけども、、

 

 

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大正3年(1914年)の噴火で3mの鳥居が頭だけ残した黒神埋没鳥居180723

 

1840~42年の阿片戦争で弱体を曝し、香港を盗られ、1894~95年の日清戦争で負けるはずのない日本に負けたChina清は、イギリスと争って事実上敗北し「敵に勝つには敵から学べ」と方針を変えた薩摩(日本)と同じ航跡を描きます。日本が留学生を欧州へ送ったようにChinaは留学生を日本に送り、近代技術を取り込むには不備であった言語改革に勤しみ、1949年に中華人民共和国成立、文化大革命の混乱を終え、鄧小平の大決断によって世界との交渉を取り戻したところまではしおらしかったのですが、国力を蓄えた2020年のいま米中対決を迎えました。

 

過去行きのタイムマシンはずっと前から実用化されていますが、残念なことに未来行きタイム列車は開発途上なので、現在から先はいかなる歴史家も空想する他ありません。そして未来予測はまず当たりません。たまたま当たったにせよ、それは多分に偶然であり、その偶然を手柄のように繰り返し自慢する評論家もいますが、まあ世の中には運のよい人もいるわけで、、

 

臆病な歴史家が過去を向くのに対し、博打好きの評論家はあり得る未来を堂々と広げて見せます。本屋で手に取るのは恥ずかしいほど品性に欠ける標題のビジネス本は、このような未来も可能かなという熱を残した冒険の書ではあります。アマゾンの1円本を一山買い込んで片端から捲れば、新聞に置かれた個々別々の記事が、一定の文法に乗っかって意味をもち始めます。どれかが当たって、どれかが外れるわけですから読者も博打を打つようなものです。

 

武漢コロナが猛威を振るう2020年7月現在、米英豪他の対中包囲網にドイツを中心とする欧州白人国がどう反応するかは不明ですが、日本の新聞がコロナの出所を問わず、国際法を無視した戦狼外交を語らず、ひたすら押し黙っていることに対し、白人国の怒りは直接Chinaに向けられたように見えます。毎日更新される世界のコロナ罹患表をフツーの目で見れば、被害国は圧倒的に白人国であるのだから白人が怒り狂うのは当然のことでしょう。とはいえ真先にChina資本に取り込まれたイタリアのような欧州国は、もはや身動きできない状態かも知れません。

 

で、日本はどうすべきか。白人国連合に身を寄せるのか、それともChinaの朝貢国になるのかがいま鋭く問われているわけです。もしも日本がアメリカのような軍事力を持ち、90年代前後のように世界を席捲した経済力を今でも持ち続けているのなら、米中いずれにも与せず孤高を誇ることも可能でしょうが、所詮国家は他国との関係性の中で平和を模索せざるをえず、そのために中央官庁の頭脳優秀な人たち及び人徳豊かな政治家が日本国の未来を全力で模索していると信じたいところです。

 

この文脈に登場いただくのは不謹慎かも知れませんが、やられたらやり返すけれども自分から先に手を出すことはない平和主義者「ドラゴンボール」の孫悟空は見事に日本国憲法を体現しています。孫悟空を取り巻く世界は「平和を愛する諸国民の公正と信義」の持ち主ばかりではないので、次々と現れる悪に敢然と立ち向かい、長い闘いの末に日常を取り戻してくれます。

 

物語は、専守防衛を理念とし、自由と尊厳を守るためには武力行使が必要であることを教えてくれます。悪い奴はやっつけろ。ただし手を出すのは一発殴られてからだというのが原則です。それが戦後日本の美学に合致したこともドラゴンボールが桁外れに売れた理由かと思われます。もしも日本国に新弟子に胸を貸す横綱のような余裕があれば、敵は攻めて来ないであろうし、悪くない相手を日本が攻める理由もありません。惜しむらくはその設定が今どきの武器にはそぐわないことです。

200707記 つづく

 

 

 

 

 

高知の今

 

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仕事を終えて土手を歩いていたら 200704

橋のまんなかをタヌキのような動物が歩いていました

ハクビシンでした

 

 

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するとこっちから軽トラがやってきたので

ハクビシンは立ち止まって下を見ましたが、

増水した川に飛び込むのはちょっとなという感じでした

 

 

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崖っぷちというか橋の桁っぷちでおろおろする

野性のハクビシンを間近に見たのは初めてのことです

鼻の頭に白く太い線が入っているから白鼻芯です

 

 

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何とか橋詰までたどり着いたとき足の裏が見えました

ヒトの赤ちゃんの足の裏のように生々しくて

おい靴はけやと思わず心の中でつぶやきました

長い尻尾は飼い猫くらいあります

たまにウチの庭へ遊びにくるタヌキとはまるで違う生きものでした

 

 

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やれやれ

びっくりしたぜい、、

 

 

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土手の向こうでは今日も  200704

ヘリ型ドローンが農薬散布しています