ひとり旅 220605 ハノイのバイク事情(4 タイ ビルマ ラオス ウクライナの小麦

 

 

 

 

ハノイを行く「トクトク」 2019.10.24

 

人力タクシーが進化した三輪車「トクトク」は今もハノイの主役です。いわゆる東南アジアではどの国でも現役の「トクトク」は街風景に欠かせない乗り物です。2018年にタイはアユタヤで宿のご主人になぜ「トクトク」と呼ばれるのかと尋ねたところ、氏は口を尖らせ「ツクツクツクツク」というエンジン音に由来する名称なのだと教えてくれました。言われてみれば小型トラクターがタイヤを回すような音に聞こえなくもありません。静音をつきつめたレクサスには作れない音です。

 

 

タイ アユタヤの路上にて 2018.09.10

 

なぜ四輪でなく三輪かといえば、バイクをちょん切って荷台を付けたという説もありますが、路地裏を行くとき前輪はひとつの方が角を回りやすいという説もあります。四輪にバイク感覚の乗りやすさを求めたら三輪になったということでしょうか。タイ北部のビルマラオスの境では今も年代物のトクトクが大活躍しています。

 

 

タイ北部ビルマ(ミャンマー)との国境タチレクの入管 2018.09.15

 

朝はビルマからタイにむけて人が流れ

日が暮れると向きが変わります

検問を待つ右端トクトクの風防がユニークです^^

 

かつてタイ・ビルマラオスが国境を接する

三角地帯は麻薬のふるさとでもありました

ひょっとすると今も簡単な検問をすり抜け

ブツが行き来するのかも~~

 

麻薬のマの字を「魔」に置き換えるとヤバイことになりますが

麻酔薬がなければ手術はできないので阿片は人類に必須の医薬でもあります

オピウムの原料ケシが高知県牧野植物園でも栽培されていると

市民大学で聴いたときにはやや驚きましたが、むろん実験栽培です

三角地帯には阿片の使い方を間違うと大変なことになるよと

様々なデザインの煙管を並べ、恐ろしげな写真を添えて

釘を刺す麻薬博物館もありました

 

 

タイ北部タチレク 2018.09.15

 

これもトクトクかなと思っていたら

サイドカーならぬサイド屋台なのでした

 

 

タチレク 2018.09.15

 

サイドを外せば

お店になります

 

屋台の料理を眺めていると

毎日が縁日みたいなもので

生きることの楽しさ感じます

むしろ病院のように清潔な日本のスーパーが

異常な風景に見えますね

 

 

ラオス ビエンチャンにて 2018.09.20

ピッカピカに磨かれたトクトク

 

 

ラオス ルアンプルバンにて 2018.09.20

 

支配と被支配の歴史はさておき、ラオスの古都ルアンプルバンは旧宗主国フランスの人々がこよなく愛した街でもあります。街なかには至る所にフランス風の建物が並び、ラオス名物カオチー(フランスパンサンドイッチ)は小麦と野菜がつくる西洋の味です。▼小麦のふるさとウクライナは、黒海を封鎖され、いま大量の小麦が輸出できぬまま滞っており、ウロ戦争の行方によっては世界に飢餓をもたらすだろうと言われます。日本のスーパーでも、ひそかに値上げが進行しており、パンやうどんも庶民価格では買えなくなるかもしれません。

 

 

< 2022年の現在史 >

ロシアとウクライナは民族・文化において不可分の存在だそうです。侵攻当初、在日ウクライナ人が「いわば東京人が京都を攻めたようなもの」だと言っていました。世の中には正邪の境がきっぱり分かれることはないので、ロシアにも言い分はあるはずだとぼくなりに探りましたが、ウクライナ東部の親ロ派がウクライナ人によって迫害されているという事実はあったにせよ、何をどう考えてもプーチンのロシアに正義は見当たりません。

 

いま日本では、正義の味方ウクライナが邪悪なロシアに攻撃されて可哀相だという図式でニュースが作られており、ネットは判官贔屓の書き込みで一杯です。それはそうではあるのだけれど、戦争は政治の結果であり、末端の兵士がつくるものではありません。プーチンvsゼレンスキーの争いに巻き込まれ、何も知らずに戦場へ連れて行かれたロシアの若い兵士は今いったい何を考えているのでしょう。

 

どうやって入手したのか知りませんがネットには、ロシアの戦車をドローンがミサイル攻撃するビデオが山ほど置かれています。戦車に積まれた砲弾が誘爆し、鉄の砲塔が空中に吹っ飛ぶ映像には、テレビゲームにはない迫真力があります。にもかかわらずさっきまで生きていた戦車兵3人がどうなったかを示す絵はまったく見当たりません。「政治の戦争」と「兵士の戦争」は分けて考えるべきではないかと思うのです。

2022.06.04 つづく