ひとり旅 221107 日本所々(2 五稜郭 京都 タイ ロシア

 

 

 

 

 

五稜郭の秋 2014.10.26

 

お洒落な洋服の日本女性が

秋真っ盛りの五稜郭へ向かいます

戊辰戦争の決戦場も

今となっては観光地です

 

秋の夕日に照る山もみじ♪

山には秋があるものだと信じ、若いころ

山を目指して自転車を漕ぎました

しかし小さい秋♪は見つかっても

高知の山は針葉樹の緑に覆われ

季節がないのでした

 

あちこち回った結論を申せば

秋は東北・北海道にあります

昼夜の温度差が葉っぱの

化学反応を誘発するのだそうです

 

 

五稜郭の秋 2014.10.26

 

秋の五稜郭を貸衣装の観光客が

嬉しげに歩いていました

傘を光背にしてシャッターを切ると

お顔が映えますネ^^

 

着物は内股でおしとやかにと

ヤマトの者は考えますが

そんなことはおかまいなし

裾がまくれてもどってことありません

 

 

京都清水 2016.05.19

                                         

コロナ前の清水寺界隈を

上海から来た若い女性が

着物姿で歩いていました

アルバイトして憧れの京都へ来た

日本のアニメが好き

Kimonoが着られて嬉しいと

ルンルン気分のようでした

 

長い歴史をもつ京都には、目に見えない壁があり、壁の向こうの文化世界は余所者が気軽に入れる空間ではありません。「いつでも遊びに来とぉくれやす」と言われて「ほんまに行ったら大変やで」と高槻在住の大阪人が諭してくれました。ウラとオモテ、本音と建前という安っぽい二元論ではなく、歴史の中で文化を磨いてきたクニに田舎者が簡単に入れないのは当然のことでしょう。

 

その清水で着付けをしてもらった日本人によると

都を徘徊する外国人の着物姿に話が及んだとき

「あらお布団の柄どす。お着物やあらしまへん」と

けんもほろろの言葉が返ってきたそうな

 

それでも着付け屋さんは

仕事だからと笑顔を振りまき

かぎりなく浴衣に近い着物を

たったの「5分で!」着せながら

心の中は葛藤に満ちているのでしょう

 

その筋の話に耳を傾けていると

知らない言葉がぽんぽん飛び出し

用語の縦糸と横糸が複雑に織りなされて

着物には不案内のぼくなど到底

理解不能の世界へ連れて行かれます

 

着物が分かるためには、

パソコン機能をひと通り覚えるほどの

長い努力が要りそうですが、覚えた用語と

文法が和服世界へ導いてくれるはず

知らない世界も分かってくれば興味津々です

 

長い年月をかけてつくり上げた着物文化には確定した形があります。「あらお布団の柄どす」と苦々しくつぶやく都の女性は、ゆるがせにできない文化空間を持ち、そこに侵入した外国人が異物排除されるのはある意味自然な成り行きです。浴衣も着物も一緒くたにされた日には「やってられしまへん」というワケです。

 

ところが面白いことに時として確定した美世界に波乱が起きます。なんと大学卒業式の日、着物の下にブーツを履いた女子学生がキャンパスを闊歩するのを見てぼくはのけぞりました!!! 着物と靴の組み合わせはとても許されることではないので、こいつら気が狂ったかと本気で思ったことですが、後で訊くとそれは明治期に開発されたファッションであり維新の革命気分が着物業界にも波及したのだそうです。

 

今でも成人式は若い女性の着物姿がまぶしいです。ルールがよくわからないおじさんには着物の上に様々な髪形がゆれる愉しい一日なのですが、通によると結婚式は角隠しに文金高島田と決まっているようにその場その場の髪形というものがあるようです。よさこい鳴子踊りじゃあるまいに晴れの日の着物姿にケッタイな髪形を乗せたらいかんと憤っていました。

 

 

アユタヤ北部の寺院にて 2018.09.09

 

しかし破壊と創造は

中合わせの存在なので

その文化的せめぎ合いが

新たな活力を生むのではないかと

ボクは考えたりします

 

着物は「呉」服屋で買うので

元はといえばChina発の服飾でしょう

それが日本で過激に発達し、世界広しといえど

着物ほど複雑で優雅な服飾はまずありません

 

かつて東京都知事

リオオリンピックの閉会式場で

スーパーマリオに扮した故安倍晋三首相とともに

着物姿で雨に濡れながら手を振りました

そのことの意味を完璧に理解した外国人がいたとすれば

さぞショックを受けたことでしょうネ

 

 

アユタヤ北部  2018.09.09

 

民族衣装の貸衣装で記念撮影

天を衝く寺院は恋人の聖地かも

 

 

アユタヤ北部  2018.09.09

 

夜目遠目笠の内というちょっと

危険な慣用句がありますけども

赤い衣裳と赤い笠は女性が秘めた

内面を浮き立たせるらしく

貸衣装屋さんは大賑わいでした

 

というようなことを

ウダウダと考えているうちに

外国人の着物姿も新たな風物として

観光文化を生みつつあるように思われ

 

観光地の着物も

卒業式のブーツも

成人式の髪形も

ぜんぶ許せる自分が見えました^^

2022.11.07記 つづく

 

 

 

 

< 2022年の現在史 >

「ロシア軍幹部、大統領ぬきで核使用・方法めぐり協議か・・」読売新聞2022.11.03との報道があり、プーチン大統領の影が薄くなる中、戦局に行き詰まったロシアは核使用をチラつかせています。小型核、戦術核と言葉の上では小さくともヒロシマ並の破壊力を持ち、とても使える兵器ではないと思いたいところですが、やればやられるのが世の常「相互確証破壊」が現実化し地球の色が変わることだって理論的にはあり得ます。

 

旧ソ連時のウクライナは1000発ほどの核兵器保有していました。ソ連崩壊のあと全部ロシアに差し出したのが間違いで、今も核保有国であればロシアの侵攻はなかったろうと言われます。そこでウクライナの「汚い爆弾」説が出てきました。材料は原子力発電所に山とあります。驚いたIAEAが査察したところその兆候はないとのことですが、ウロ戦争のみならず、もしも絶望に陥った独裁者がこの世を道連れにと考えたならば、世界に400基以上もある原発を片端から狙えばよく、その生命破壊力は核爆発を超えるのかも知れません。

 

ひとり旅220222号、220527号で全ロシア将校協会会長イヴァショフ退役大将の予言を引用しました。ロシアの軍人が開戦前に堂々と大統領批判し、独裁国にも勇気ある言論人が存在することに驚きましたが、それから9ヶ月後の11月7日現在イヴァショフ氏が描いたロシア敗北のシナリオはほぼ当たっています。「結果としてロシアは国際社会で孤立し、おそらく独立国としての地位を奪われるだろう」という悲惨な未来図が的中するかどうかは今のところ不明ですが、伝えられるメディア記事が正しければ、遠からずプーチン政権は破綻します。とすれば旧ソ連の復活を狙って起こしたプーチンの戦争によってプーチン自身が破滅するという皮肉な事態になります。

 

胡錦濤派を追いやり独裁色を際立たせたChina共産党下の中国では、スマホ(という名の人間管理装置)がなければ暮らしが成り立たないようです。帝国の祭壇にコンピュータが祀られ14億もの人民が生活の隅々まで数値管理される21世紀とは何と恐ろしい時代でしょう。陸橋に張られた反体制の横断幕ていどのことがニュースになる国に言論の自由はなく、民衆の意志は官憲に封殺され、もはや天安門事件の再現はないでしょう。事の本質を巧妙に隠し、ご注進記事に終始する特定日本メディアを見るかぎり、つくづく日本は情けない国になったものです。ことの責任の1/億はぼくにもあるのでイヴァショフ退役大将のように見たくない未来を見つめる努力が要ります。

 

独裁主義が行き渡り

人類は監視装置に怯えながら暮らすか、それとも

民主主義と資本がつくる大いなる矛盾の中で

人類はそれなりに自由を謳歌するか

二つにひとつのことが今するどく

問われているのだと思います