ひとり旅 230818   四国所々➄   明神丸 ひろめ市場 魚藍観世音菩薩 牛魂碑

 

 

 

 

 

 

高知市帯屋町の明神丸   2023.08.07

 

人もまばらな月曜日の午後

コロナ騒ぎですっかりご無沙汰していた

帯屋町アーケード界隈を歩きました

 

むかし佐賀町いま黒潮町の明神丸が

高知市帯屋町にこさえた酒場の大看板です

コロナにやられて閉店かもと思いきや

夕方のオープンに向け仕込みに忙しそうでした

 

入口のガラス戸を拡大してもらうと

「漁師が釣って 漁師が焼いた」

梅原真氏の名文句が見えます

 

 

ひろめ市場の明神丸 2023.08.07

 

高知駅を挟んで北側に立ち上がったイオンに客を取られ、南の繁華街は寂れましたが、巨大ビルに街を詰め込んだ人工商店にしっくり来ない人も多いらしく帯屋町アーケード街はそれなりに賑わっています。

 

そのアーケードのどんづまりに「ひろめ市場」という飲み屋の集合体があります。立体駐車場下を利用した闇空間に赤い灯がともされ、昼なんだけど夜を演出した怪しい雰囲気に誘われて善男善女が午前中からジョッキを傾けています^^!

 

明神丸といえば一本釣りのカツオ

カツオといえば藁の強火で炙ったタタキです

ガスを使うとタタキが焼き魚になりますネ

 

ガラスの向こうで焼いて切って盛って

迷いなく進む職人の手業にうっとりしたあと

半セルフで一杯やるのが”昼から夜店”の流儀です

 

巻き網漁でカツオの群を一網打尽にすると

どうしたって鮮度に無理がかかります、だから

黒潮のナブラに生き餌のイワシを撒き

一本一本ていねいに釣り上げるのが明神丸のやり方です

 

下の素人ビデオは ”須崎うみんちゅ” のカツオ体験

NHKにはない生き生き感があることから

プロの業って何だろうと考えたりもします

https://www.youtube.com/watch?v=FeGrXZH2n6M

 

 

宿毛市咸陽島のハマチ碑   2023.08.14

 

カネはある人口は増える

高度経済成長期の宿毛湾は

つくれば売れるハマチの養殖場でした

 

数年前の中国のごとく

爆発的な経済成長の波に乗り

漁師の顔に力があった時代です

 

「魚藍観世音菩薩」がハマチを抱いた碑は

昭和56年(1981年)に建設されています

 

 

北海道天塩町の牛魂碑   2015.10.09 

 

「牛魂碑」とあるので屠殺場跡かと思われます

いのちあるものに礼を尽くした碑は

彼我の位置を水平の目線でとらえ祈りを捧げた

きわめて日本的な碑であるかと…

ヒトもウシも遺伝子の配列でいえば

ほとんど差異はないそうです

 

 

ひろめ市場の酒場アート   2023.08.07

 

昼間から盛り上がっていた酒場の壁に魚が踊っていたので

「すんません写真とらせてよ」と分け入りました

 

カマスかトビウオか

はたまた痩せたカジキが一杯機嫌で

ジャンプしたのか知りませんが

ふざけた顔の目ン玉が生きています

下顎の青と腹部の茶色が妙にリアルで

描いた人はよほど魚が好きなんやろなと思いました

 

これをピカソに見せたら何て言うだろ?  

「無一物中 無尽蔵」と矛盾する文字の意味を問われたら

禅問答みたいな解釈をしてあげる他ないのかなと…

 

 

同上   2023.08.07

 

鳥だか魚だか分からない生きものも

酒場の壁で酔っぱらっていました

子どもの絵とは全くかけ離れた作品であり

西洋画のリアリズムともちがう抽象です

 

誰が描いたんだろと思ってネットを引くと

城本の姓がありました

Toshinoriの名が微妙にちがうものの

たぶん同一人物だろうと思われます

 

描き手が誰かはさておき

酔っ払いが見上げたところに

こんな絵があり

 

天地生命万物合体

根源無尽蔵

極楽浄土無量

 

なんてイミフな文字が綴られていたら

しかつめらしい顔で立派な美術館を歩くのとは

ちがう何かが感じられそうです

2023.08.18記 つづく