ひとり旅 231216 特攻(9) 道草編  谷の橋   海の橋  周庭アグネス・チョウさん

 

 

 

阿蘇

 

 

落ちた旧阿蘇大橋  2023.10.22

 

2016年の熊本地震で橋桁を落とした阿蘇大橋が

震災の遺構として保存されています

 

 

無残な姿をさらす上路式鉄骨アーチ橋  案内板より2023.10.22

 

震度7の揺れが益城町を襲ったとき

たまたま現場に居合わせた友人によると

タテ揺れヨコ揺れは経験していたが、ここでは

「捻じれるような揺れだった」

「温泉地の水脈が変わった」とのこと

 

相応の安全係数を掛けて建設し完工後は

わが子のごとく慈しんだにちがいない橋を失った

設計者と施工者の声を訊いてみたいものです

 

決して厭味ではなく

形であれ心の中の出来事であれ

人生のどこかで誰もが経験せねばならない

価値の崩落を土木家に尋ね以て自戒としたく思います

ひとの死であれ思想の無意味であれ、いずれ

信ずるものが目の前で失われる光景に

ひとは出くわさねばならないからです

 

 

阿蘇大橋  2023.10.22

 

落ちた橋の下流部に建設された新大橋

現代の土木技術をもってすればどんな橋でもつくれますが

この橋は大慌てで建設した移動のための通路です

 

橋脚にも橋桁にも装飾がなく

復興優先、機能主義むきだしの橋は

その美観において古代ローマの水道橋や

明石海峡大橋とは比ぶべくもありませんが

むしろそこに震災後の慌ただしい風景が読み取れます

 

 

水俣市へ向かう斜張橋  2023.10.22

 

この橋は主塔の背が低いので、ケーブルの角度が極端に浅く、素人目にはこれで橋桁を持ち上げる力になっているのだろうかと心配になります。が、そこはしっかり強度計算しているはず、ケーブルがつくる二つの山と川面の反映が美しく、背の低さが不思議な美観を生み出しています。橋には桁橋、トラス橋、アーチ橋、ラーメン橋、吊り橋等さまざまな形がありますが、きっとこの設計者は斜張橋が好きだったのでしょう。橋好きが集まって設計・施工者を囲み、ざっくばらんな座談会があったら愉しかろうなと…

2023.12.16記 つづく

 

 

 

 

< 2023年の現在史 >

香港の民主化運動家、周庭アグネス・チョウさんが「香港には戻らないことを決めた」そうです。カナダ政府が認証したわけではないから正式な「亡命」ではありませんが、故郷を捨てるにあたっては大いなる葛藤があったはず。メンツを潰された香港警察は周庭さんに帰還要求し「戻らなければ指名手配する」と脅しています。日経新聞2023.12.12には「海外の華僑らを監視する中国の秘密警察がカナダにもいる」とありました。

 

乃木坂が好き、東野圭吾のファンでもある周庭さんは、独学で習得した日本語でテレビ朝日のインタビューに応えましたが、テレ朝のネットニュースに添付されていた写真を見てぼくは嫌な気持ちになりました。人の顔の真実は無数の表情をつなぎ合わせた全体にあるのであって、その瞬間を1/100、1/1000秒の単位で切り取る静止画は現実には存在しないものです。善意また悪意をもって抜き取った1枚の絵は、写された対象ではなく、写した人間の心のあらわれと言えます。

 

テレ朝の記事内容は香港警察の意図を伝えるばかり

周庭さんが「香港には戻らない」理由説明はありません

まあそんなメディアなんですけどね~~!

以下3社3枚の絵を載せます

女性はきれいに撮ってあげなきゃ

 

 

テレビ東京

 

 

BBC

 

 

テレビ朝日

 

以上いずれもPC上の写真を

iPhoneで撮影しメールで転送したもの